第46話 物語

 ああ、ほぼ何の変化も無いな。

 私は安堵とも不満とも言える感情を感じる。

 私がPCで見ているのは、小説投稿サイト『ヨムカク』。その中で自身の投稿した物語の閲覧数だった。

 相変わらず一日に一人、二人が読む程度、日によっては全く増えないこともある。

 私は思う――これは、悲劇だろうか? それとも、喜劇だろうか? と。

 答えはおそらくどちらでもない。というか、物語にすらなっていない。

 私の生き方は、起伏に欠けている。始まりも終わりもしない。

 起承転結もなければ、序破急もない。ただ、川に落ちた木の葉が流れていくように淡々と進んでいく。

 だから、夢を見ない。夢がない。

 私は笑った。

 そんな人間の書く物語のどこに魅力があるというのか。いや、私という人間自体に魅力など無いのかもしれない。

 それでも、私は書き続ける。

 理由などない。強いて言うならボケ防止か。


 今日も誰に届くともしれない物語を、私は書き続ける。

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