第15話 視線
誰かに、見てほしかった。あるがままの私自身を――。
私を育てた両親は、私に期待や願望を込めて見た。
同級生は、自分にとって有益かどうかで見た。
私はそれが嫌いだった。あるがままの自分、純粋な自分自身を見てほしかった。
私はいつからか、他人の視線を嫌うようになった。
私利私欲や下心を込めた視線――そう思うと、誰かに見られているだけでストレスになった。街中や電車の中で視線を感じると視姦されているような嫌悪感を感じた。
やがて、私は学校にも行かず、部屋に引きこもるようになった。
両親は再三登校するように言ったが、私は聞かなかった。
私は部屋のぬいぐるみを全てベッドに向けておいた。
この子たちだけが、私を純粋に見てくれる――そう思うと、少しだけ心が休まった。
私はそのままの姿を、誰かに見守ってほしかった……。
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