第7話 銀行強盗
「一度してみたかったんですよね」
少年は悪気なさげにそう言った。
少年は銀行強盗の罪で捕まり、取り調べ中だった。
真昼間の銀行で大型の包丁を取り出し、銀行員に金を出せと言ったのだ。
「え? ……いえ、お金は特に欲しくなかったです」
少年はそう言って頭をかいた。それは無邪気にさえ見えた。
少年はこの辺りでは有名な進学校の生徒で、その中でも成績は優秀だった。素行も良く、周囲からは将来を嘱望されていた。
そんな人間がどうして――誰もが疑問に思うことだった。
「父が言ったんです。今度のテストで良い点が取れたら、好きなことをしていいって」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます