第16話 お兄ちゃんとは呼ばない

第5話にも書いたが

我が家では誰が一番偉いという考え方は持たないように私自身そして子供達にも教育してきた。私はただ母親という役割を担っているだけで家族の一員である。

お兄ちゃんというのは兄弟間で序列を表すものであり個人を表すものではないので

お互いを呼び合うときはちゃんは付けずに名前だけで呼び合うこととした。


完全に対等な関係を築きあげたのである。ある程度成長するまではお菓子も文具も服も靴も全て同じものを3つ買い与えた。よって食べ物や物の取り合いで喧嘩することはなかった。だからいまでも息子たちはとても仲が良い。私が死んだ後も息子たちが仲良くし続けることができるようにと願い子供同士がいがみ合うことがないように子育てをしてきた。


息子たちは全く喧嘩をしなかったわけではない。喧嘩をしたときは必ず家族会議を開きなぜ喧嘩したのか・どうすれば仲直りができるのか・喧嘩をしないためにはどうする必要があるのか、と話し合いをすることでわだかまりを残さないようにした。

話し合いの時には必ず相手の気持ちを考えさせた。

「できる人ができることをやる」ただそれだけ

「できない人がいたらできないことを手助けする」ただそれだけ


しかし、成長するとともに意見の食い違いで喧嘩になることも多々あった。個々の経験によりアイデンティティーが確立していくため意見の食い違いは仕方がないがすべてを認めていては家族はまとまらない。そのため家族をまとめるためには私が物事をどう考えているかを基準に話し合い、意見を出し合い皆で着地点を見出すようにしてきた。その中で私の考えが現代社会に通ずつものではないと息子たちに非難されることもあり私の考えを修正しなくてはいけない場面もあった。


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