第6話 息子たちを大学に通わせようと思った理由
離婚後の生活は本当に苦しかった。役所に相談しても何一つ解決策は見いだせず、挙句の果てには「長男が中学生になれば新聞配達でもしてもらうといいのでは」と言われる始末。
「旅行にも行けないの?」「パパいないの?」「狭い家に住んでいるんだね」など何気ない子供同士の会話に息子たちの心は傷けられることもあった。片親で貧乏なのは変えることのできない事実。貧乏って本当に不幸だなぁ~。私と子供達が不幸になることは別れた夫が喜ぶことかもしれないと思うと悔しかった。離婚後一度も連絡もなく、子供に会いたいとも言ってこない元夫。離婚後2年くらい経ったころの私は、とにかく貧乏でも子供たちを「ちゃんと育てよう」という思いになっていた。別れた夫は大学卒だったのでせめて子供達も大学には通わせたいと思った。
「国や行政には頼れない」「片親・貧乏は子供たちを肩身の狭い思いにさせる」何とかしなければ‼貧しい生活から抜け出したい。頭さえよければ医者にでもなれるし弁護士にもなれる。せめて子供達には同じ貧しい生活をさせたくない、貧困の連鎖からは脱してやりたい。
しかし、大学に通わせるなんて容易なことではない。全て公立・国立の学校に合格し奨学金を借りれば何とかなる。と安易に考えていたがそんなにうまくいくわけはない。私でさえ大学という壁は高く容易に超えられなかったのに、息子たちができるのか………。知り合いの友達は公文や英会話に通い始めたとか、4年生から塾に通わせるとか。我が家にはお金はない。習い事はさせてやりたいがそのような余裕はない。あーーーーーーーーー。どうしよう(泣)
大学受験をしたことがない私の頭は爆発寸前だった。無理だ無理だ無理だ。
そんな時小学校に上がる前であった長男にベネッセから「チャレンジ1年生」の案内がきていた。そっかー‼通信教育の教材を使って自分が教えればいいんだ。それならできると思い申し込むことにした。我が家に希望の光が差し始めた。
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