第3話 母の笑顔
離婚後4人での生活が始まった。親権を得るために家庭裁判所に申請・生活を維持するために仕事も始め、2か月の三男と兄たち二人も保育園デビュー、毎日が目まぐるしく過ぎていった。私の肌はボロボロ、髪はボサボサ、寝不足で目の下にはクマもでき限界であった。
いつものようにユニットバスの小さなお風呂に4人で入りギューギューのなか兄たち2人が保育園での出来事を私に一生懸命話してくれていたが、私の耳にはほとんど兄たちの話は入ってこなかった。そんな時お風呂の中でプカプカ浮くものが…三男はまだ乳児。『うんこだ〜。』と兄たちはケタケタ笑っていた。もうやめて(泣)という思いで洗面器でうんこをすくいあげ目の前の便器の中に流した。ケタケタ笑っている息子たちに向かって「うるさい!」って叱ろうとしたとき長男が『ママ笑って。うんこが浮いてたよ』次男が『ママ笑って』と。私には余裕がなかった。笑えなかった、疲れていて笑うことを忘れていた。
あー、私なにしてるんだ。自分で離婚を決めたのに。こんなんじゃダメだ。子供達は不幸になっている。子供達が欲しいのはお金でもない、きれいな家でもない、私の笑顔だと気付かされた。泣きながらであったが笑った。せめて子供たちの前では笑顔でいてあげなければいけない。
しかし一人で3人の息子を育てるのは正直しんどかった。
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