第3章 王都混乱
第38話 王都観光
大型アップデート情報
スキルの修正
•unknown
称号の修正
•規格外の下方修正
※自分が持っているスキル、称号の修正内容しか見れません。
追加要素
マップの拡大
スキルの増加
称号の増加
所属国家制度
クラン制度
クラン対戦
NewLifeOnline運営より
――メール――
「こんなにアップデートが来てたんだね」
「サキが昨日音信不通になっていた時にね」
「ゴメンて……一昨日はずっとゲームに夢中になってたからさ、体を動かしておきたくて門下生たちを複数人相手にして組み手やってたから、リーブからの連絡が来てたのに気づいたのが夜だったんだよねぇ」
サキは笑って誤魔化そうとした。
「笑わない!!」
「ごめんなさい!!」
しかしリーブには通用しなかった。
「でも意外だったな」
「ん?なにが?」
「いやだって、サキが毎日やってる組み手をサボってまでこのNewLifeOnlineをやっていたなんてさ」
「えぇ、そんなに意外だった?だってこのゲームは現実よりも勝負の勘が鍛えられるし、現実で使いこなせなかった春風の奥義も使えるんだよ!!そりゃあ熱中もしちゃうよ!」
「そっか、でも“鬼の十兵衛”って誰から教わったの?サキのお父さんは言っちゃ悪いけど出来るような実力は無いし、お爺さんは出来ただろうけど、今じゃあとっくに全盛期は過ぎているから、難しいじゃん。だから知りたかったんだよねサキが誰からあの技を習ったのかを」
「あー、……お爺ちゃんからだよ」
「え!!あの人が教えたの!?教わったのが少し前だったとしてもとっくのとうに全盛期は過ぎてたでしょ!?」
「うちのお爺ちゃん舐めない方がいいよ。今じゃあお爺ちゃんとの組み手で最後まで互角でいけるけど、一年ほど前だったら私は1分もって良い方だったよ」
「はぁ……本当にアンタん家の血筋はおかしいよね!春風流道場の初代師範は小学校の教科書に載るぐらい第三次世界大戦での重要人物で、お爺さんは80歳ながらも世界各地を回って剣術を教えながら旅を続けているんだし、……ねぇ貴女のお爺さんが世界に居るお弟子さんからなんて呼ばれているか知っている?」
「わ、分かんないけど」
「“日本の
「リ、リーブ?キャラが変わっているよ!?それにお父さんとお母さんは普通だよね」
「はァァァ!?アンタの両親が普通なんてあり得ないよ!!アンタのお父さんは剣術はお爺さんやサキには及ばずとも日本屈指の剣道家だし、それにあの人警視監やし!あの人拳銃を含めて銃火器の扱いは日本一いや、世界一だよ!!それに私のお母さんとかの日本の要人を護衛も務めるエリートだよ!!」
「い、いや普通だよ。リーブの方がすごいって」
「まだ言うか……ならアンタのお母さんは有名人やろ!」
「有名人なら結構いると思うけど」
「サキんところのは普通とちゃうやろ!?あの人はアメリカの資産家の娘やん!!極めつけは日本け「もう良いよ!分かったから!!私の血筋はすごいってことでいいよ!!」……やんって話し遮らないでよ」
「ごめんって。でもそろそろ王都観光しよ」
「はぁ分かったから、よし!切り替えて楽しもう!」
「おー!」
こうして二人の褒め合い(ほぼほぼリーブからサキへの一方通行である)は長めの尺を取って終わったのだった。
「でもサキ?観光ってどんな事するの?」
「うーん、特には決めてなかったんだけど適当に回っていたら変なクエストのフラグでも立つんじゃないかな?」
「サキがそんなことを口にしたら、何時もの豪運が反応して……あれ?反応しないなぁ」
「私はそんなに豪運じゃないから」
今更になるが今二人が歩いているのは、第一回イベントがあったコロッセオがある王都の商業区である。
ちなみに王都は商業区、工業区、居住区、冒険区、そして4つの区によって囲まれている王城を中心に中央街からなる。
「特に面白味がある商品も無ければ、クエストも発生しないなぁ」
「面白味がある商品って、そんなの滅多に無いよ」
「でもカイさんがここ商業区の掘り出し市で刀を手に入れたらしいよ」
「なら行ってみようか」
「そうだね」
「いらっしゃい!二人共うちの店は初めてかい?」
「はい!」
「ルールを説明しとくね。うちの店だけじゃなく、ここら辺の店は大まかな商品の分類は分かるけど細かな商品の詳細は分からないから注意してな!あと返品は受付とらんで!だからガラクタが出たとしても文句は受け付けんし、あまりにもしつこいと衛兵が来るから気を付けてな」
「でも出てくるのはガラクタだけじゃないんですよね」
「良い質問だな嬢ちゃん!そうこの掘り出し市の面白さは稀に
「品質Sかぁ」
「サキ買ってみれば?サキならほとんど良いのしか出ないでしょ」
「そうかなぁ?私はそんなに運がいいとは思わないけどなぁ」
「何言っとるねん!!」
サキの自分は運がない発言にリーブはサキの頭を結構強めに叩きツッコんだ。
「痛ったぁー!酷いよリーブ!!私は本当のことを言っただけなのにぃ!?」
「ホントのことだぁ!?普通、運がない人が宝くじで億を当てないし、それを元手に株で大成功は起こさないよ!?」
「それは偶々だよぉ」
「はぁ、もういいや。で、買うの買わないの!」
「一個だけ買おうかな?」
「毎度あり!!」
「買っちゃったよぉ」
「今更嘆いたって意味ないから開けてみなよサキ」
「う、うん」
サキが使い捨ての異空間袋に手を突っ込んで取り出した物は“光竹”という小さな竹の中心が神々しく光っている物だった。まるで竹取物語のかぐや姫が産まれた竹のようだった。
「な、なにこれ?」
「何かの専用アイテムってことは分かるけどそれが何かは分からないね」
「うーん……まあ分かる事と言えば、今のサキには必要無いものだね」
「やっぱり私運が良くないじゃん!!」
「(うーん、サキの運が悪いなんて普通じゃないよ!!あれ?運が悪い?なんで運が悪いって決めつけているんだろう?あの光竹が何か重要なアイテムだったとしたら……やっぱりサキは豪運の持ち主だったね)きっといつかサキの助けになってくれるよ……!たぶん」
「そうだよねって今小さな声で多分って言ったでしょぉぉ!!」
「楽しそうな嬢ちゃん達だなぁ」
掘り出し市の人は二人の漫才じみた掛け合いを微笑ましそうに見ていた。
しかしこのサキが手に入れたアイテムに対して慌てている人達がいた。
――運営side――
「おいおい!なんでよりによってサキに光竹が行き渡るんだよ!!」
「知りませんよ!そもそも光竹が掘り出し市に出現するように言ったのは社長でしょうが!!」
「仕方ないだろ!!それに一番簡単なモンスターのあれは掘り出し市にも出すってのはみんなも賛成だっただろ!?なぁ川嶋」
「さぁ?鈴木さんの思い違いじゃないですか?」
「酷いよ川嶋!?なら海藤!海藤も賛成だったよな!なっ!」
「うーん、そうだったかもしれないし、そうじゃなかったかもしれないです」
海藤は唇に人差し指を添えながらそう言った。なかなかのあざとさである。しかしこれは誰に向けられものでもなく佐藤と出会う前にやっていたあざといキャラが癖で出てしまっているだけなので、この会社の人は誰も気にしてはいなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ここからはあとがきです。
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