第2章 第1回イベント
第11話 領主館
始めてのUM討伐を記念して第1回イベントを開催します。
その内容は1on1のPVPです。上位三名には賞品が渡されます。
賞品は閉会式の時送ります。
PVPに参加されますかY/N
観戦に参加されますかY/N
参加される方は当日に王都のコロッセオに強制転移させていただきます。
日程 ゲーム内3日後11時から
NewLifeOnline運営より
―――メール―――
へぇ、イベントがあるんだぁ。そういえば、リリルカさんが訓練場に来てって言ってたなぁ。早く行かないと。
「あ、リリルカさーん」
「サキさん」
「話って何ですか?」
「領主様があなたに会いたがっていました」
「どうして領主様が?」
「きっとこの街で頼光に勝てる者がいないと思っていたんでしょうね。このまま倒せずにいたら王都に莫大なお金を払って部隊を呼んでいたので、お礼がしたいんでしょう」
領主様?あぁ、ファスターの領主様か。
「わかったよ。行こう領主館に」
「じゃあ、行こっか」
「領主館にどのような御用でしょうか?」
「領主様に呼ばれたリリルカとサキだ」
リリルカは門番にそう言うと、とある紙を見せた
「おおそうでしたか、すいませんでした。どうぞお入りください」
領主館に入ってとある部屋の前まで案内された。そしてリリルカが扉をノックすると、部屋の中から渋めの男性の返事があった。
『入れ』
「失礼します。ファスター防衛部隊大隊長のリリルカです」
「冒険者のサキです」
「おぉ!あなたが酒呑童子頼光を倒して下さった人ですか!!この度は有難うございました」
自己紹介をするや否や領主と思われる人物は頭を下げた。
プライドなく直ぐに謝罪が出来る彼は有能な領主なのだろう。
「いえいえ大丈夫ですから頭を上げて下さい」
「そうですか?それならいいのですが……では酒呑童子の件でお礼がしたいのですが、何か欲しい物などはありませんか?」
「そうですねぇ……ならリリルカさん姉妹をもっと裕福に暮らさせて下さい」
「聞いてた通りのお人ですね。その願いは出来る限り受け入れましょう。ですがそれだけでは貴女へのお礼にはなりませんので、サキさんにはうちにある装備品を上げましょう。おい!持ってこい」
「はっ!」
部屋にいた警備兵は部屋の外へ走っていった。
「え、そんなの貰えませんよ」
「いいんですよ。元々装備はあげるつもりだったんですから」
「そうですか?ならありがたく貰いますが……」
「持って参りました」
装備品を取りにいた兵士が部屋に戻ってきた。
「そこに置いておいてくれ」
「はっ!」
そう言われるとその人は下がっていった。
「この装備は、この街で生まれた聖女が亡くなった時に装備していた物です。遺言で『全ての財産はこの街の領主に渡す』と言っていたらしいので、私の先祖が受け取りましたが、この装備に見合う人がなかなか現れないから王都の教会に渡そうと思っていましたので、渡す前に第二の聖女が産まれてよかった」
「こんな大事なもの私には見合わないですよ」
「いいんですよ、装備は誰かが装備してこそですから」
「じゃあ、ありがたく貰いますが」
装備 聖女の羽衣
黒系魔法耐性大 白系魔法消費MP減少 回復量増大 状態異常無効 体力回復
破壊不可
装備 聖女の着物
黒系魔法耐性 白系魔法ダメージ増加 回復量増加
破壊不可
装備 聖女の下駄
悪路走破
破壊不可
私が思ったことはただ1つ……強過ぎない?
「どうして前の聖女は亡くなってしまったのですか?」
「唯一ギルドのモンスターの強さ判定で、SSS級と判定されていた最後の魔物である、八又之大蛇の名前付きUM、【ノワール】を討伐する際に使用した聖女の奥義【神聖修羅】の反動で亡くなったと言われています」
「そんなに強いのですか?ちなみに帝国の
「なぜ古代青龍を知っているのでしょうか?この国で知っているのは王国の貴族と少ない人だけですよ」
「頼光から聞きました」
「頼光……ああ、酒呑童子のことですか。酒呑童子はそんなことを話したのですか……その話を他で話してはいませんよね?」
「してませんよ」
「なら大丈夫です。えーと
「でもギルドでは、SS級までしか書いてありませんでしたが?」
「それは、八又之大蛇を最後に絶滅しているからです。通常の八又之大蛇のランクがSS級なので、UMになった時点でSSS級に認定されます。しかし今の時代に居る魔物は、最高でも通常の魔物だとS級までしか居ないので消されたんだと思いますよ。まあ私はギルドに所属していないので、詳しいことは分かりませんが」
「じゃあ、他にSSS級っていなかったのですか?」
「いいえ、いましたよ。巨人の古代種である古代破壊巨人 個体名【ロキ】、海の王と呼ばれた古代海之大王蛸 個体名【オクテンス】、全ての龍を統べていた龍王種 神龍 個体名【ヴェルトロス】、そして八又之大蛇がSSS級であり、四大厄災と呼ばれた魔物です。おっと少々話しすぎたようですね。もし王都に行くことになったら門兵にこれを渡せば優遇してくれますので」
そう言うと領主はとある封筒をサキに手渡した。
「ありがとうございます。本当にいろいろとありがとうございました」
「別に構わないですよ」
サキたちは領主館を後にした。
「そう言えば、リリルカさん全然話さなかったね」
「そりゃあ緊張して話せるわけないですよ」
「それもそっか。はぁ明日は大会かぁ……」
強い人に会えるのは嬉しいけど、負けたらって考えるとちょっと憂鬱になるなぁ。
「大会?そういえばサキさんは異人でしたね」
そう言えばリリルカさん、私の事ずっと敬語にさん付けしてるなぁ。
「そろそろ私のことタメ口に呼び捨てでいいよ」
「そう?じゃあサキも私のこと呼び捨てで呼んでね」
「わかったよリリルカ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ここからはあとがきです。
これから第2章が始まります。
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