第3話 東の草原

 あれぇーまた称号貰っちゃった。まあこの称号はいま使うことはないでしょ。

 狩りに行くんだから武器買わないとね。今の所持金が1000ラオで初心者武器が一律1000ラオなんだよね。だからしっかり悩んで決めなきゃ。



――3時間後――


 サキがゲーム内時間で3時間悩んだ末に決めた武器は刀だった。


「すいませーん、刀ください」


「あいよ、1000ラオだよ」


「はい」


 よし、強面のお兄さんに言われた通り東に行ってみるかぁー。


「うわぁー!すごいウルフとかラビットとかスライムとかがいるー!!」


「よしまずはスライムから倒してみよ」


 サキが刀の柄を握ると彼女の雰囲気が一変した。虫も殺したことがなさそうでポワポワしていたサキが一転、戦国時代を生きていた武士のような殺気と圧が周りに発せられた。


「春風流居合い切り」


 風を切るかの如く素早い居合いがスライムの柔らかいボディへと放たれた。刃の通らなそうな肉体をしたスライムは綺麗に真っ二つにされて、中心にある核を破壊されたことにより絶命した。


「ふぅー、初めて刀で生き物を切ったなぁ」


 スキル 【刀術】を獲得した


「へぇこんなに簡単にスキルとれるんだ。ステータス」


――ステータス――


名前 サキ

体力350/350

魔力720/720

職業 聖女Lv1

スキル 刀術Lv1 神聖魔法Lv1 テイムLv1 魔力増加Lv1

称号 礼儀正しい人 ギルドのマドンナのお気に入り

装備頭

上半身 普通の服

下半身 普通のズボン

靴 普通の靴

武器 初心者の刀

アクセサリー

使える魔法

ヒールMP10 ハイヒールMP80 エリアヒールMP300 エクストラヒールMP1000 聖女の祝福MP20000 テイムMP10


――ステータス――


 こんなに使える魔法あったんだ。多分だけど神聖魔法のお陰かな……【聖女の祝福】ってのは職業スキルってやつだよね。魔法の効果が見れたりしないかな?


ヒール 対象の体力30回復

ハイヒール 対象の体力300回復

エリアヒール 近くの人の体力150回復

エクストラヒール 対象の体力80%回復

聖女の祝福 状態異常全回復、体力100%回復、10分間状態異常にならなくなる


 さすが消費MP20000の魔法、すごい能力だなぁ。まぁ使えるようになるのはだいぶ先っぽいけどね。


 そういえば魔物を倒したけどなにかドロップしたのかな?


アイテム

スライム核

サモンで召喚する時に使う


 へぇ、サモンっていうのもあるんだ。いつか使ってみたいなけど、今はテイムするのが先だよね。良さそうなのは、うーん……ラビットにしよう!ウルフもモフモフしてて良さそうだけど、ラビットの方が可愛いしね。

 あの子いじめられてる!助けてあげないと!!


「ふぅ……春風流一閃!」


 いじめてた1匹のラビットを集団でいじめていたラビット3匹は絶命した。


【刀術がLv3になった】


 スキルのレベルが上がったことを伝えるアナウンスが頭の中に響いたが、そんなことより虐められていたラビットの方が大事だったサキはラビットの前でしゃがみこんだ。


「ねぇ、大丈夫ウサギちゃん」


「キュウ」


「あっ!足ケガしてるね治してあげる【ハイヒール】」


「キュキュウ」


【ホワイトラビットが仲間になりたそうにしています。仲間にしますか?Y/N】


 えっ!仲間になりたそうにしていますってまるでドラ……まぁいいや、気にしたら負けだよねイエスだよイエス。


【ホワイトラビットが仲間になりました】


 てかさっきからホワイトラビットってなに?この子はラビットじゃないの?


ホワイトラビット

ラビットの突然変異の弱個体。しかしラビットの中では進化の先が知られていない種であるため、無限の可能性があるとされている。


 へぇー、今は弱いけど強くなる可能性がある大器晩成型ってことかな?取り敢えず、この子のステータス見てみよう。


――ステータス――


種族ホワイトラビットLv1

名前

体力83/83

魔力210/300

スキル 癒しの波動Lv7 噛みつくLv1 魔力増加Lv7

装備

アクセサリー


――ステータス――


 え、弱個体とか言われているのに強くない?それに種族レベル1なのになんでスキルレベルだけ高いの?

 そっか、虐められて傷付いた身体を治すために癒しの波動を使い続けていたから魔法系のスキルレベルが高いのか。


「君の名前はカグヤだよ。これからよろしくねカグヤ」


「キュウ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る