(続き10)
体を揺さぶられる感覚で私は目を覚ます
その後に声をかけられた、どうやら朝だ
雑な設計図を書いて、そのまま突っ伏して寝てしまったらしい
私は青木さんに起こされた
フラフラの足で階段を降り、手を洗い、口をゆすぎ、顔を洗って、
用意してくれていた朝食を手に取る
それらは簡単な食事に思えるラインナップだった
お米に汁物、教会の様子とはやはり合わない
「昨日は遅くまで実験をまとめていたようでしたが、何かわかりましたか?」青木さんが尋ねてくる
私は昨日考えたことを朝食を合間に挟みながら説明した
「エネルギーを効率よく引き出すためには状態変化が……」
「…なので光からも」
「…ロウソクの火の熱エネルギーを介して」
「……箱の中に回転軸を設けて運動エネルギーを使って何かを回し続けるのもどうかと考えたのですが…」
…と話をしている途中で私は気づく、青木さんがすべてを理解している風の顔で私の方を向いていることを。
その通りだ専門用語だらけで喋ってしまっては、青木さんは理解できないだろう…寝ぼけてんのか私?
私はそんなことを思いながら自分の行いについて反省していると
「つまりは、もう少し材料が欲しいかな?」と私に話しかけてきた
「えぇ、はい。細々とした木材があればうれしいです」
「わかったよ、用意するね」
…そんな会話をしているときの青木さんはなんだか楽しそうに見えた
~~~
朝食を食べ終わった後に私がノートに書いた設計図を見直している際、青木さんが残念そうな顔をして私の方に寄ってきた、…たくさんの板材や木片を持って。
「大きいものしかなかったよ、この大きさだと加工が大変ですね、一応道具はそろっていますけど…」と語りかけてくる
私は言う
「道具なんていりませんよ、私たちには」
私は青木さんに杖を取り出して見せた
青木さんは微笑んだ
***
魔法を使って板材を細く切ったり、焦がしたり、削ったりしてパーツを造り
穴を開け、回転軸を設ける
簡単なリンク機構…
本来考えるべき強度や複雑なリンクをさせることなく、組み上がった
出来上がった自動手記の用紙入れに紙をセットして、杖を持ち想像する
…すると、自動手記は動き出し私の願った言葉を書いてくれた、それも私の字体で
これで私は逐一メモを取らずとも、記録を付けることができる
自動に書かれたその文面を見て、私は再度覚悟する
[we will make “magic” so easily that every people will burn candles]
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