(続き4)
まず最初に行ったのは実際に魔法を使ってみることだ
手袋を身に着け、湿度、室温を記録、
青木さんからのレクチャーを受け、私は熱めの水が入ったコップを左手で握りながら、風が起こるイメージをし、右手にある杖を振った
すると体の中を何かが巡るような感覚と同時に
右手から風が吹いた
左手に持っていた水は冷たくなっていた
今度は先ほどのコップを手に持ちながら机に垂らした水を凍らせてみた。
神妙な面持ちで青木さんが見守る中
私が杖を振った瞬間、先ほどとは体を巡る何かの方向性が逆になった感覚と同時に
目の前の氷は凍っていた
左手に持っていた水は暖かくなっていた
この一連の流れ、やはりエネルギーが移動している
私は逐一温度計で変化する水の温度を計測していた
それをノートに書き記す
今度はその逆、水を蒸発させる
目の前にある垂らした水滴をさっきと同じ手順で蒸発させる
コップの中の水は冷たくなっていた
「水の比熱は4,2J《ジュール》、それで元の水の温度が34℃で蒸発後の温度が…」
ノートに計算をまとめながらこれらがどのようにエネルギーの伝達率を考える
「…ほぼ伝導率100%だと?」
予想を裏切られて驚きもするが、そもそも目の前で起きていることが常識はずれすぎるのでもう慣れっこだった
私は次にエネルギーの置換について調べた
左手にお湯を持ち、力学台車に向けて杖を振る
その影響で力学台車は50cm進み、手に持っていたコップの水は35℃から23℃まで下がっていた
「えぇっと…Nm《ニュートンメートル》でいいか、これで50だから0,05イコールで…」
「ほぼ100%でエネルギーが置換されている…」
これは…予想以上だぞ、私が思っていたよりもこいつは高性能だ
私はまたノートに計算式を殴り書きながら、結果を記していた
だがいづれも正確な値ではない、器具の問題で、正確な温度が測れているかわからない
だがはっきりと、言えることは
間違いなく、これは科学だという事だ
細かいところが分からなくても、これだけの情報が手に入るのなら私はこいつを解明できるはずだ
私は意気込んだ
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