(続き1)
「…んっ」
次に目を覚ましたのは部屋の中だった、焦げ茶色の天井を見つめていた
私は自分が置かれている状況を確認する
まず、寝起きでもわかるがここはとても暗い。微かに差し込む太陽の光以外の照明がない、空き家のような雰囲気だ
次に私が寝ているのは布団だ、品質は…まずまずといったところ
頭の横には机がある、机の上には瓶の容器にはいった水が置いてあった
体を起き上がらせて周りを見てみると
これと同じ一式が反対側にもあるようだ
とりあえず机の上にある水を溢れん勢いで飲み干した
喉の渇きが潤い、体が生き返る感じがした
瓶を机の上に置いてから、私は立ち上がり状況を把握しようと壁沿いを歩いて行った、
わずか十二畳ほどの小さな部屋は扉で仕切られた踊り場のようなところにつながっていて、そこには上下に続く階段が設けられていた。
階段の前に比較的大きな姿見があった、そこに自分の姿が見える
そこではじめて気づいた、来ている服が違う…これはまるで
「色を抜いた修道服?」
…いや考えすぎだ、そういう寝間着だろう、そう思えばそうも見えるくらいどうでもよい話なのだ。
数歩歩き、私は階段の手すりに手をかけた、漆で塗られた木製の手すりはなんだか年季を感じる質感だ
そこから一歩一歩階段を下っていく…
階段の途中にも窓はない、ただ建物のところどころから差し込む微量の光だけが私の足元を照らす
だが、時期に光源は足元から目立つように現れてきた
途中で曲がり始めた階段に合わせながら降りて行った先には
たった一枚のステンドガラスから差し込んだ光によって美しく包まれた。
されど窮屈な礼拝堂だった
ここは教会だ、私は気絶した後にここに居たことに恐怖と奇跡を感じた
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