・お主、何奴だ、何処から参った?
消えゆく意識の中で私は彼らの会話を聴いた
「いい!たーひーか?かーだたひゅーねぇか?にぇっちょーしぇーか?」
「みぇず!みぇずゎでーだ?」
「せーんかわねみぇずでぃたーひ」
「てーま、いっぺぇへーすんにぃいんひにぇや」
「せーわやべぇ、えめぇわしてだーひすぎぃ、いぇーがーでっけいえん?」
「あぜだーひ、けーまでいえてぇんかー、」
私は聞こえてきた言葉を変換できずに。
視界はフェードアウトしていった。
目の前は真っ暗だが耳と感覚はまだ残っていた
彼らに担がれ体が浮き上がるのを感じる
少しすると周りが暗くなり、そしてまた明るくなったのが瞼越しでもわかった
「せんふじーがたーひ」
「えらぁ!はぁ、けーつこんさきぃでーなだ?」
「でーか、たせーてぃけーねーかな」
そんなことを言われながら私は何かにもたれかかった、硬くて熱い。
その直後顔に水をかけられた、とても冷たく気持ちいい。
声色からして、なんだか困っている様子に思える、それもそうだろう。彼らは見ず知らずのわけのわからない人の世話を急に押し付けられたのだから。
そういえばこの橋の下に川があったな、もしかしてそこまで運んでくれていたのか。
水質が少し気になるがもうこの際どうでもよい、私はかすかな体力でそこにある水を飲もうとした
…だがそれをしようとした時に私はその行動をやめないといけない事情が出来た。
声が聞こえてきたのだ、はっきりと、幻聴なんかじゃない、私はようやく
「君たち、なにかお困りのようですがどうしましたか?」
日本語を聞いた!
限りなく日本語だ!間違いなく日本語だ!
幻聴か?自分の耳を疑うのなら聞き返せば良い!
凄まじい速さの論理展開、私の得意技だが
つくづく、場所は選ばない
私は意識を失った
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