・ここはいつか?どこか?
それが見えたことに心底驚きながら私は慎重に木から降り、その壁の方向へ歩き始めた。
その道中、非日常に取り残された私は目星をする
そこにあるのはいたって普通の木々だ、草木も特に変わりない感じ…
湿度の高いこの森林には鳴り響くセミの鳴き声、何もここに来る前と変わりはないように思えた
「‥‥セミ?」
先入観とは何とも恐ろしいもので。
そもそも木々に見覚えがあったり湿度が高かったところから薄々感じてはいた、異世界転生ならもっとへんてこな木があってもよいだろうし、気温も湿気こんなに高く暑いものか?異世界転生後の世界ならもっとヨーロッパの様であったほうが自然だと考える
ならやはりここは日本じゃあないか…
「…はぁ」
私の思考は溜息で打ち切られた。
周りのセミたちは何もわからない私を憐れむように大声で鳴いている
周りに生えている木がどんな種類でさえ私にはわからず、自分が一体どこに居るのかさえも己の力のみでは不明のまま
この思いは人に会いたい気持ちを助長させる。自分で考えてもわからないとなれば残る選択肢は、穴が開くまで調べ上げることだが。
それよか「人に聞く」が先決だ。
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