第2話 天使と二人目のお兄ちゃん

今日はパパとお兄ちゃんが忙しいため、私はミアと一緒にお散歩中!

今日は久しぶりに一人だと思ったのに...

「お前がクララか?変わったな。」

もう一人のお兄ちゃんと遭遇しちゃった!この白と銀のミックスみたいな髪、空色の目、絶対お兄ちゃんだ!

「は、はい。お兄ちゃん。」

「お兄ちゃんだと!?」

ひいっ!怒っちゃったかな?

「か、可愛すぎる!」

なんでみんなお兄ちゃんって呼ばれただけでときめいてるの?

「クララ、君が天使のようになったという噂は聞いている。だから、一緒に、その...」

お兄ちゃん、なんでモジモジしてるの?

ふしぎー。

もしかして、お兄ちゃん、自分の言いたいこと言えない系の人!?

「お兄ちゃん、どうしたんですか?」

「僕とお茶してくれないか!?」

え...

今くれないか、くれないか、くれないか、っていうエコー聞こえた気がする。

「いいよ!行こう!」

口がぽっかり空いてる侍女さんや執事さんのことは置いておいて、私はお兄ちゃんの手を握って、近くにあるテーブルへ向かった。

「ミア、お茶とお菓子ちょうだい!マカロンも!」

「かしこまりました。」

ミアが固まってなくてよかったー!

「マカロンが好きなのか?」

向かいに座ってるお兄ちゃんが目の前にある湖を眺めながら聞いてくる。

「うん!大好き!」

私は元気よく頷いた。

「じゃあ明日からたくさん送ってあげる。」

「本当?あ、でも。」

「どうしたの?」

「ミアがたくさんお菓子食べたら夜眠れなくなっちゃうって言ってた。」

「そうだな。じゃあ毎日お茶しよう。」

「パパとお兄ちゃんのことも誘う!」

私が答えると、お兄ちゃんがフォークを落とした。

「お兄ちゃん!?大丈夫?」

「あ、ごめん。驚いただけ。まさかお父様と兄上が、ふふっ。」

「あ、お兄ちゃん!笑わないでください!」

「じゃあ僕のことにーにって呼んで。」

「にーに!」

「ぐっ!可愛すぎる。」

こんなことなら余裕よ!

しかも、これならお兄ちゃんとお兄ちゃんでごっちゃにならなくて済むし!

(我々は何を見せられてるのやら。)

使用人全員がそう思っていたのだった。

ミルクを飲みながら、私はにーにからたくさんのことを学んだ。

例えば、ソアレン公爵家が唯一の公爵家だということや、この皇太子は誰ということや。

「にーには物知りだね!」

「そうだろ!」

にーに満更でもなさそう。

「「クララ」」

「あ、お兄ちゃん!パパ!」

さっきミアにパパとお兄ちゃんのこと呼んできてって伝えておいてよかった!

「父上、兄上?なぜここに。」

「「クララに呼ばれた」」

「クララいつのまに...」

「ごめん、ごめん。」


この後、家族四人で楽しくお茶会をしたのでした。

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