第7話 雨時々雪の雲
今日初めて高橋君と話した。いつも一人で窓際を向いてて、難しい本を読んでる。変わった子。
羨ましいな。
私は彼みたいに難しい本は読めないし、一人でいることもできない。
友達はたくさんいるけど、それも上辺の付き合い。自分が辛いときに助けてくれる子が何人いるかわからない。一人でいるとなんとなく不安だから誰かと過ごしてる。でも隣の子は誰でもいいの。昼休みに誰といたかも正直覚えてない。
いつも知らない人に囲まれて、愛想を振りまく日々。もう疲れちゃった。
いつも太陽みたいに明るい女の子になるようにってつけてくれた名前も本当に名前だけ。
ほんとの私は飽きっぽくて、優柔不断なだけなんだ。
だから彼みたいな一匹狼あこがれるなー。
私も本当は孤独なのかも。
でも私は隠してる。本当の自分を見られるのが恥ずかしいから。
彼みたいに一人を貫く勇気はない。
臆病者なんだよね。
結局、通学路の最後は一人。
さみしくてなんとなくお気に入りのコッペパンを食べながら帰るの。これを食べるとき幸せなんだー。
うん。やっぱりおいしい。家でもう一つ食べよっと。
「あれ、人が倒れてる。」
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