第4話 曇天に光は射さない
気がついたらここにいた。
みんなと同じように受験をして、なにも考えず制服を着て、受験が近づいたらちょっと勉強する。そこそこの大学に入ったら、そこそこ大企業に入って、そこでまともそうな男の子と結婚する。イケメンではないけど雰囲気のいいひと。
“まぁまぁ”な人生。
でもちょっと退屈。
時には漫画の世界にあこがれたりもする。海賊になったり、巨人と戦ったり。
でもちょっと怖いから今のままでもいい気もする。
普通の人生。みんな普通。何も起きない。でも困ったことはないかな。彼氏がいないくらい。
でもたまに本当に困っている人もいるみたい。
それでも、何も困ることはないよね。私には関係ないし。なんとなく過ごしていける。困ったら誰かがやってくれるから。だって路上で死にかけている人、私は見たことないもん。
クラスに入ってみると、うるさい子もいれば、ずっと本を読んでる変わった子もいる。
みんな違って見えるけど、外から見ればみんなこども。ただの高校生。
個性教育とかってよく聞くけど、その割にはみんなに同じことをさせて、同じ枠組みで過ごしてる。
毎日学校に行って、同じことをやって、帰るだけ。
ちょっと面白いこととかはあるけど、明日には忘れてる。
もし明日から私がいなくなっても何も変わらないと思う。
少しくらいは悲しんでくれるかな。
心はずっと曇り空。
「なんか晴れないんだよなー。」
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