第14話 ゴーレムコア採集
第3層は、ゴーレム階層。ここでは、2つ以上のゴーレムコアを手に入れることが目標だ。
「クロエ、下に降りる前に、ゴーレム討伐方法を調べてみるね。」
「サーチ・ゴーレム討伐」
ダイアリーに一言だけ、それに関する記述があった。コアを収納すれば、ゴーレムは素材に変わる。
「動いているゴーレムからコアを収納するのか?」
クロエが言うことはもっともだ。どうやるんだろう。私が聞きたい。
邪魔な物さえなければ、少し近づけば、直接触らないでもコア収納はできるかもしれない。問題は、動くゴーレムに邪魔されないコアまでの射線が作れるかだ。それと、コアの収納にどのくらいの時間が必要かだが、やってみないとわからない。
クロエと作戦を立てた。今回は、私とクロエは別のバイクに乗る。クロエが囮攻撃を行い、コアまでの射線ができれば私がコアを収納する。大雑把な作戦だけどやってみるしかない。
「下に降りよう。」
「うむ。」
下に降りた。
「サーチ・ゴーレム」
「右の通路の先の左に折れた影に1体ゴーレムがいる。」
「先頭クロエ。遅れて私で作戦を試してみましょう。ゴーレムが通路の右左どちら側に寄っているかで攻撃方向は変わって来るわ。広くあいた方の上方向から攻撃してもらえばコアへの射線が開くと思うのだけどできる?」
「やらなければ、ゴーレムコアが手に入らないのだろう。やるさ。」
「行くぞ。」
クロエがマウンテンバイクに乗って出発した。私は、後ろからゴーレムバイクで追走する。
左の影にいるゴーレムに会敵したクロエは、ロックバレットで初撃を与えた。それくらいでは、ゴーレムには傷一つつかなった。クロエを追ってきたゴーレムが角から現れた。横を向いていて、コアへの射線は、遮られている。
クロエは、壁の方に跳んだかと思えば、壁を走って私の方に戻って来た。クロエを追ってきたゴーレムは通路の右側に寄っている。クロエは振り返るとその右側を走ってゴーレムに近づいた。そして、その直前で左上に跳びロックバレットを放った。
ゴーレムは、頭部に当たるロックバレットを避けるために手を上げた。
射線ができた。コアの方に手の平を向けた。
「アイテムボックス」
コアを収納することができた。ゴーレムはガラガラと崩れ石のブロックになった。そのままにしておくとダンジョンに吸収されてしまう。直ぐに石のブロックを収納した。
「うまくいったな。ルナ。」
「ええ。この調子で次に行きましょう。」
「おお。次はどっちだ。」
「このまま真っ直ぐ。左に曲がった先に2体。2体同時は厳しいかしら…。」
「大丈夫だろう。一体ずつルナからコアへの射線を作ればいいだけだ。」
「行くぞ。」
「はい。」
クロエの後ろを追走して次の会敵場所に向かった。
会敵。ゴーレムは左に寄っている。クロエは左側からゴーレムに近づく。ゴーレムの直前でクロエが右に跳んで右上からロックバレット。射線ができた。
「アイテムボックス。」
バイクに乗ったまま壁を蹴って後ろのゴーレムの上方に跳んだクロエは、ロックバレットを放った。射線ができた。
「アイテムボックス。」
ほぼ同時にゴーレムは崩れ、石のブロックになった。勿論その2体分のブロックを収納した。
「コツはつかんだ。この程度なら何の心配もいらない。」
その後は、サクサクと収納した。1時間程で大量の石材とアルミニウムブロック、ゴーレムコアを50個手に入れた。
「二人で行うゴーレム狩りはもういいだろう。一度だけで良いのだが、私ひとりで狩ってみていいか?」
「え?一人でって一人でゴーレムコアを収納できるの?」
「ああ。小さいが私もアイテムバッグと言うスキルを持っている。ゴーレムコアくらいの大きさなら30個以上は収納できると思うぞ。」
「サーチ・ゴーレム」
「この近くには、もういないわ。」
「そうか。では、次の機会にだな…。」
「じゃあ、次の階層入り口を探してくれ。」
「う…ん。分かった。サーチ・階層入り口」
近くにあるな。ここから300m。
「近くにあるわ。行きましょうか。」
バイクで走ると1分もかからず入り口に到着した。立札がある。
『この階層入り口には、収納のスキルを持つ者が2名以上必要。』
その後に小さい文字でここのガーディアンの討伐方法が記述されていた。
・左右に並んだガーディアンのコアを同時に収納すること。
・入り口側から順にガーディアンのコアを収納すること。
・すべてのガーディアンのコアを収納するのに30数える以上の時間をかけないこと
★最後のガーディアンのコア2個を破壊すると次の階層の扉がひらくための魔石が現れる。
左右同時にガーディアンのコアを収納しないといけないから収納スキルを持つ物が2名以上必要なのか…。
「クロエ、ゴーレムコアの収納、試すことが出来そうよ。やってみる?」
「勿論。行くぞ。」
私たちは、階層入り口に入って行った。
通路の奥に祭壇があった。目が慣れてくると左右に大きなゴーレムが並んでいるのが見えた。ガーディアン。門の守護者だ。
「1,2,3のカウントを繰り返して、1で収納だ。予備カウントも1、2、3。」
「始める。1、2、3、いち、2、3、いち、2、3、…。」
左右10体ずつのガーディアンはすべて金属ブロックになった。30カウントってぎりぎりだわ。最後のガーディアンは、貴重金属ミスリルだ。
最後のコア2つを破壊すれば、扉を開くことができる魔石が現れるはず。
『ガンガンガン。』
大剣で何度もコアを打ち付けているがなかなか魔石は壊れない。
「焼いてみるか?」
クロエが言ってきた。
「やってみましょう。焼いて、冷やす。石の割り方だね。」
「ファイヤーボール!ファイヤーボール!ファイヤーボール!」
「ウオーターボール!」
『シューッ・ピキッ』
ひびが入った。
「ひびが入ったわ。クロエ、大剣で砕いて!」
『パキーン』
大きな音がしてゴーレムコアが砕けた。
コアが消えて、ミスリルブロックの真ん中に魔石が現れた。
2個目のゴーレムコアも焼いて冷やして砕いた。
2個目の魔石も手に入れた。後は、素材を収納するだけだ。
金属ブロックを収納して魔石を祭壇にセットした。
正面の壁に扉が現れ、4階層の入り口になった。
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