第25話「魔王軍大進撃」

オビトはギレースに極寒の空間に飛ばされ倒されてしまった。

その場で倒れ込んだオビト……。

このままではオビトは凍え死んでしまう。


「さ……寒い……この……ま……ままじゃ……」

オビトは何とか暖を取ろうと持ってきた荷物を漁る。


そして見つけたのは……。

「これは……」

たこ焼き屋の店主から貰ったたこ焼き……。

「おっちゃん……ありがとう」

たこ焼きは保温容器に入れられていた為、まだ温かかった。

オビトはたこ焼きを夢中で食べる。

6個のたこ焼きをあっと言う間にたいらげた。

「おっちゃん……助かったぜ……サンキューな」

オビトは立ち上がった。

そして『変身』

クロスセイバーとなり再び戦いへ……。

「ギレース!!俺はまだ生きてるぞー!!」


「フフッ……そう来なくてはな……」

ギレースがクロスセイバーを元の空間に戻した。

「!戻った……」

「まだ、生きてたか……なら今度こそこの手で……殺してやるよ……」

ギレースは『冥王剣-デスギャリバー』を構える。

「行くぞ!!」

クロスセイバーは『クロスブレイカー』を手にギレースに斬り掛かる。

クロスセイバーとギレースは激しい攻防を繰り広げる。


その頃、グランスタ王国では多くの兵士が力尽き倒れていた。

パラディンオブナイトは戦い続けているがもう限界だ……。

「クソッ……いくら倒しても……敵の数が減らない……」

「クロガネ団長、もうダメです。殆どの仲間がやられ、我々には戦う力が……」

「怯むな!気持ちで負ければ終わりだぞ」

「しかし……」


そんなパラディンオブナイト達の前にまた魔獣人達が……。

「また敵か……」

パラディンオブナイトは戦いに赴く。


その頃、激しい戦いを繰り広げるクロスセイバーとギレース。

クロスセイバーの一撃がギレースにダメージを与えた。

「ぐわっ!?」

「はぁ……はぁ……ギレース……追い詰めたぞ!」

「くっ……」

ギレースは『冥王剣-デスギャリバー』を構えクロスセイバーに反撃する。

クロスセイバーはその攻撃を受け止めるが、端に追いやられる。

「ぐぅぅぅっ……」

「死ねー!!」

ギレースは稲妻状の光線を発しクロスセイバーを攻撃する。

「ぐわぁぁぁっ……ぐっ!……まだ……まだ……」

「くっ……しつこい奴め……」

クロスセイバーはギレースを押し戻す。

「ぐっ……」

「こんな所で……負けるかー!!」

クロスセイバーはギレースを蹴り飛ばす。

「ぐはっ!?」

そしてクロスセイバーは必殺技『クロスラッシュ』でギレースを攻撃。

ギレースはダメージを受けた。

「ぐっ……や、やるな……」

「この技を受けても倒れないお前も中々だぜ……」

「当然だ……この冥王剣がある限り……私は負けない……」

そしてギレースは『冥王剣-デスギャリバー』を掲げ必殺技を発動。

「喰らえ!」

必殺技『冥王-波動斬』でクロスセイバーを攻撃。

クロスセイバーはもう一度『クロスラッシュ』で対抗。

2人の必殺技が激突し激しい衝撃が走った。


その衝撃は魔王城全体に響き渡る程だった。

「ん?……ギレースめ……派手にやっておるな……」

ディアボロスもそれを感じた。


2人の必殺技の激突の影響か空間に歪みが生じた。

「しまった!魔封じの結界が!?」

思わぬ出来事に驚くギレース。

「魔封じの結界?あっ!そうか!」

クロスセイバーも異変に気付き再び『ドラゴンフォーム』にチェンジ。

今度はチェンジ出来た。

「やっぱりな……魔封じの結界が消えちまったんだろ?」

「くっ……おのれ……」

「これでようやく本気が出せるぜ……行くぜ!!」

ドラゴンフォームとなったクロスセイバーはギレースに怒涛の攻撃を仕掛ける。

「ぐはっ!?」

ギレースはクロスセイバーの凄まじい攻撃に防戦一方。

次第に追い詰められる。

「おのれ……こうなったら……」

ギレースは奥の手を使った。

なんと、『冥王剣-デスギャリバー』で自らの腹を貫いた。

「何っ!?」

「ぐあぁぁぁっ……デス……ギャリバーよ……我が生き血を吸いその魔力を高め……我に冥王の力を与えたまえー!!」

ギレースの姿がみるみる変貌して行く。

「こ、これは……」

そして、冥王剣-デスギャリバーと融合したギレースは冥王戦鬼アンデッドギレースとなった。

「これで私は不死身だ……さぁ、掛かって来い……」

「不死身……だと……」

クロスセイバーも怯む。

「来ないならこっちから行くぞ!!」

アンデッドギレースがクロスセイバーに襲い掛かる。

「くっ……」

クロスセイバーも応戦し攻撃を叩き込むがアンデッドギレースには全く通用しない。

「ぐあぁぁぁっ……」

弾き飛ばされクロスセイバーは大ダメージ。

「クソッ……」

何とか立ち上がるが……。

アンデッドギレースは更に攻撃してくる。

「ぐあっ!?」

アンデッドギレースが右腕のデスギャリバーを振りかざす。

「ここまでか……」

クロスセイバーが死を覚悟したその時!

一匹のカエルがアンデッドギレースの顔に飛び付いた。

「うわっ!?な、何だ!?」

「!今だ!!」

クロスセイバーは立ち上がり反撃。

必殺技『ドラゴインフェルノ』でアンデッドギレースを攻撃。

アンデッドギレースのデスギャリバーを持つ右腕を斬り落とした。

「ぐわぁぁぁぁぁぅ!?」

融合したデスギャリバーを失った事でアンデッドギレースの体は不死身ではなくなり元のギレースの姿に戻って行く。

「お……おのれ……おのれー!!」

ギレースはドラゴインフェルノの炎に焼かれ倒された。

「勝った……しかし……何だあのカエル?」

するとカエルの体が光り出した。

そして、マジョーラの姿に戻った。

そう、あのカエルはギレースに魔法を跳ね返されカエルになってしまっていたマジョーラだった。

「戻ったか……」

「マジョーラ!?」

「クロスセイバー、借りが出来たね」

「マジョーラ……お前……何で?」

「私もギレースの奴にカエルの姿にされて頭に来てたんだ。借りは返すよ」

「え?」

「セイラを探してるんだろ?こっちだよ」

「え?お、おう……」

クロスセイバーはマジョーラの案内で囚われたセイラの元へ。

「セイラ!」

クロスセイバーがセイラに駆け寄る。

「セイラ!しっかりしろ!セイラ!」

「ん?……オ……オビト?」

「大丈夫か?」

「う、うん……」

そしてクロスセイバーはマジョーラの方へ振り返る。

「マジョーラ、礼を言うぜ。でも、何で?」

「私もギレースにはムカついてたからね……これで借りは返したよ!」

「ああ……」

クロスセイバーはセイラの拘束を外す。

「さぁ、クロスセイバー、ここからは敵同士だ……。今、魔王軍はグランスタ王国に大規模な攻撃を仕掛けてる……いずれ日本にも攻撃を仕掛けるだろう。止められるものなら止めてみな」

「何だと!?」

そう言ってマジョーラは姿を消した。

「オビト……」

「とりあえず、急いで脱出するぞ」

「うん……」

「そうはさせんぞ……」

「!!」

魔王城全体が揺れ始める。

「何っ!?」

「あの声……まさか!」

オビトとセイラの前に魔王ディアボロスが現れた。

「ディアボロス!!」

「久しぶりだな、クロスセイバー……」

「テメェ……」

「いよいよ我々はグランスタ王国を攻め落とす。その次は日本と呼ばれるこの世界の国からだ……急がなければ全てが滅ぶぞ」

「そんな事させるか!!」

「ならば止めてみろ……この世界……そしてグランスタ王国の終わりを……」

そう言うとディアボロスは姿を消した。

それと同時に魔王城が崩壊を始める。

「まずい……急いで脱出するぞ!」

「うん!」

クロスセイバーとセイラは急いで出口に向かう。

だが、魔王城の崩壊が早くこのままでは外に出る前に崩壊してしまう……。

しかし、クロスセイバーはギレースとの戦いで消耗しきっていた。

「まずい……こうなったら……」

セイラはペガちゃんを召喚し、2人で崩壊した天井から脱出を図る。

崩れる瓦礫を避けペガちゃんは飛ぶ。

そして、間一髪の所で脱出に成功。

「やった!」

「ああ……」

「急いで戻らなきゃね」

「ああ、頼む」

「行くよペガちゃん!」

ペガちゃんは異空間への穴に向けて全速力で飛ぶ。


異空間の穴に入り何とか日本に戻って来たクロスセイバーとセイラ。

異空間の入口で待つ寛太と合流。


「あっ!寛太ー!」

「オビト!セイラちゃんお帰りー!!良かった無事で」

「ああ、だが、急いで戻らねぇと……ディアボロスはこの世界にも進撃して来るつもりだ」

「えっ?……そんな……分かった、直ぐに戻ろう」

3人は車に乗り込み東京に向かう。

しばらく走らせていると、空が暗雲に覆われて来た。

もうすぐ東京だ。

しかし、近付いて来た東京の街は3人が知っている物では無かった。

街中が崩壊し瓦礫の山になっていた。


「酷い……」

「コレ全部魔王軍が?」


この荒廃した東京で魔王軍との最終決戦が待ち受けていた。


続く……。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る