第14話「グールの正体」

クロスセイバーは魔獣人ヤド・ガニーが暴れる現場にやって来てヤド・ガニーと戦う。

しかし、ヤド・ガニーの貝殻に『クロスブレイカー』の攻撃が阻まれる。

「クソッ……コイツ硬てぇ……」


そしてその頃、ギレースはゴルムドとスダァールを使ってグールを襲撃していた。


「見つけたぞ、魔剣士グール……」

「ん?また貴様か……」

「今度こそ貴様の冥王剣−デスギャリバーを頂くよ」

そして、ギレースの合図でゴルムドとスダァールがグールに襲い掛かる。


ゴルムドとスダァールの連携に追い詰められるグール。


一方、ヤド・ガニーに苦戦するクロスセイバー。

「フンッ、クロスセイバー……せいぜい頑張れよ」

ドラゴニルがクロスセイバーを煽る。


「クソッ……」


グールがギレースからの攻撃を受けクロスセイバーが戦う現場まで飛ばされて来る。

「ん?グール!?」

「!クロスセイバー……貴様が何故ここに?」

「それはこっちのセリフだって……」

そして、ギレースとドラゴニルも合流。

「ギレース!テメェ、俺の戦いを邪魔する気か?」

「そんなつもりはないですよ。ただ、私は私の戦いをしてるだけです」


そして、離れた所から戦いを見ている寛太……。

「あぁ……敵がこんな一斉に……オビト大丈夫かな〜?」


ギレースが稲妻状の光線をグールに浴びせる。

「ぐわぁぁぁぁぁっ!?」


この攻撃でグールは大ダメージを受け仮面の一部が破損。

その僅かに露わになった素顔にクロスセイバーは見覚えがあった。

「なん……だと……」


「ぐっ……」

グールは姿を消した。

「あっ……」

「チッ、逃したか……」

ギレースはゴルムドとスダァールを引き連れ去って行った。

「チッ、何か冷めちまったぜ……帰るぞヤド・ガニー」

そう言ってドラゴニルも帰って行った。


「良かった……オビト!大丈夫?」

「ん?ああ、大丈夫だ……」


クロスセイバーは変身を解除し、オビトと寛太は再びペガちゃんに乗り帰って行った。


家に帰る途中、セイラと合流した。

「セイラ!こんな所でどうしたんだ?」

「あっ!オビト、寛太。うん、寛太のお父さんにコンビニに行ってくるって言って出てきたから口実の為にちょっと買い物を……そっちは終わったの?」

「ああ、何か面倒くさい事になってな、あいつらも帰って行ったぜ」

「面倒くさい事?」


そして、家に帰り着くと、既に博士の姿は無く、置き手紙がテーブルの上に置かれていた。

どうやら博士はまだ仕事が残っている様で帰ったらしい。

「何だよ父さん……いきなり来ていきなり帰るんだから……」

「はぁ……寛太腹減った。飯にしてくれ」

「ああ、うん……じゃあ、ご飯の準備するか」

寛太は直ぐに台所に向かう。

「セイラ、ちょっといいか?」

「ん?」


オビトはセイラを別の部屋に連れて行き、なにやら話をしている。


そこに次元を超えクロガネがやって来る。

「よっ!お邪魔するぜ」

「あっ、クロガネさん……変なタイミングで来るんだから……これからご飯にするけど、クロガネさんの分用意してないよ」

「いや、それは別に構わないが……」


そして、オビトとセイラもクロガネが来た事に気づき部屋を出てくる。

「クロガネさん、どうしたんですか?」

セイラが尋ねた。

「オビト、セイラちゃん、すまないが手を貸してくれ。今すぐ俺とグランスタ王国に来て欲しい」

「え?グランスタ王国に!?まだ晩飯喰ってねぇのに……」

「はぁ……ならそれはこっちで用意させる……だからとにかく来てくれ」

「グランスタ王国に行くの?だったら俺も連れて行って貰えないかな?」

寛太が言い出した。

「え?」

「オビトとセイラちゃんが育った世界見てみたいし」

「ん〜……まっ、人数が多いに越した事は無いだろ。行こう」

「やりぃ!!」


早速、オビト、セイラ、寛太、クロガネはグランスタ王国に向けて出発。


グランスタ王国に到着すると王宮の目の前に出た。

「うわ〜!!すげぇ〜……まるでファンタジーの世界だ!」

寛太は大興奮。

「ファンタジーって何だ?」

オビトが尋ねると。

「ああ、僕達の世界にはない、魔法があったりモンスターが居たりする世界の事でゲームや映画に良く出てくるんだ」

「ふ〜ん……魔法の映画なんかやって面白いのか?」

「……世界観のギャップがあり過ぎる……」

寛太にとって魔法は不思議な物だが、オビト達にとっては日常的な物なので、全く響いて無いようだ。


「そもそも、オビトとセイラちゃんは魔法が当たり前にあったり不思議な世界に居たんだからいいよね。魔法使えると便利そうだし」

「それより中に入るぞ」

クロガネが王宮に入る事を促す。

「魔法があっても元から使える訳じゃなくて、修行しなきゃいけないから結構大変なのよ。」

「へぇ〜そうなんだ」

「オビトは魔法全然ダメだし」

「うるさいよ……」


そんな話をしていると王の間に到着。

「ロズチェス国王、オビトとセイラを連れて参りました。それと、別の世界でオビトとセイラが世話になってる寛太です」

クロガネ、オビト、セイラがロズチェス国王の前に跪く。

寛太も見様見真似で跪く。

「おお、来たかオビト、セイラ。それに寛太とやら、向こうの世界ではオビトとセイラが世話になっている様だな」

「いえ、とんでもありません……初めまして、村木寛太です」

寛太は緊張している様で時々呂律が怪しくなりながら答える。

「そんなに緊張せんでも良い。お前達に頼みがあって呼んだ訳だが……」

「あの〜国王様、俺もう腹減って死にそうなんだけど……」

「お、おい!オビト!!」

「まずいって!?」

クロガネと寛太が慌てる。

「そうか、なら食事を用意させよう。話はそれからで良い」


直ぐに食事の用意がされ、王宮の大食堂へ案内される。

大食堂に入るとテーブルいっぱいに豪華な料理が並ぶ。

「美味そー!!」

「さぁ、早く食べよう。料理が冷めてしまう」

そう言ってロズチェス国王も席に座る。


早速食事を始める一行。

オビトはガツガツと食べ行儀が悪いが、寛太は流石にテーブルマナーを弁えていた。

「ほぉ、やるなぁ寛太。テーブルマナーはどこで覚えたんだ?」

クロガネが関心して尋ねる。

「子どもの頃から父さんに仕込まれましたから」

「流石社長さんの息子ね……」

「うん!うめぇ!!」

「それに比べて……」

セイラはオビトを見て呆れる。


食事が終わると再び王の間に集められた。

ロズチェス国王が玉座に座る。

「さて、では本題に入ろう」

そう言ってロズチェス国王は彼らを呼び戻した理由を話始めた。


以前、神の置土産の事に関して判明した事から更に研究が進み、新たな発見があった。

クロガネの腕に装着された銀の腕輪とは別にもう1つ金の腕輪の存在が明らかになった。

その金の腕輪を手に入れるとパラディンオブナイトは更なる力を得られると言う。

金の腕輪を探す為にオビト達は招集されたのだった。


「金の腕輪……」

「つまり、クロガネさんが強くなる為にそれが必要って事ですか?」

オビトが尋ねる。

「ああ、魔王軍にはギレースと言う新たな戦力が加わったそうだな。奴に対抗する為にも必要だろう」

「あの……何か手掛かりはあるんですか?」

今度は寛太が尋ねる。

「今の所……無い」

「無いのか……」

「だが、今も研究は進められておる。何かヒントを見つけられれば直ぐに連絡出来る様にしよう。君達は明日、手分けをして金の腕輪を探すんじゃ」

「はっ!」

「了解……」


その頃、グールは仮面が破損した事で本来の意識を取り戻しつつあった。

「はぁ……はぁ……俺は……一体……?」


「見つけたぞ、オーヴェル……まさか、貴様がグールの正体だったとはな……」

「!!」

そこに現れたのは魔王ディアボロス。

グールの正体はオーヴェルだと言い放つが……。


続く……。

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