第11話「脅威の三銃士」

ゴルムドがセイラに迫る中、オビトが到着し、クロスセイバーに変身。


「俺はクロスセイバー……お前らの好きにはさせねぇ!!」

「クロスセイバーねぇ……お前今、俺の事を魔獣人と言ったが訂正させて貰おう……俺はギレース様に使える冥界の三銃士ゴルムド……魔獣人なんて下等生物と一緒にしないでくれ……」

「冥界の三銃士……何だか知らねぇが敵は敵だろ!ぶっ飛ばしてやるぜ!!」

「はぁ……どうやら頭の悪い奴らしい……仕方ない、バドーラ、スダァール集まれ」


ゴルムドが後の2人を呼ぶ。

「何だ?ゴルムド」

「折角楽しく破壊してたのに……」

「敵だ……我らの力を見せてやろう」

「何っ?へっ、面白い事になってるじゃねぇか……」


「敵が3人?」

「ウソッ……こんな事って……」

「だから三銃士なんだ……行くぞ!!」

三銃士はクロスセイバーに襲い掛かる。

「3対1か……上等だ!!」

クロスセイバーも応戦。

ゴルムドの剣とクロスセイバーの『クロスブレイカー』が交える。

だが、横からバドーラがパンチ。

「ぐわっ!?……汚ぇぞお前ら!!」

だが、文句を言ってる間にもスダァールが光弾で攻撃して来る。

「ぐあっ!?」

「クロスセイバー!?」

セイラも心配して声を掛ける。

「ぐっ……今度はこっちから行くぞ!!」

クロスセイバーがバドーラに攻撃する。

しかし、今度はゴルムドが剣で『クロスブレイカー』を受け止め、スダァールが後ろから光弾は放ち攻撃。

「ぐわぁぁぁっ!?……コイツら……見事な連携だ……」

更に三銃士は代わる代わる攻撃して来る。

至近距離ではバドーラが、近距離ではゴルムドが、遠距離ではスダァールが攻撃し、全く反撃の隙が無かった。


「くっ……せめて、私に一人でも倒せる力があったら……」

セイラは見ている事しか出来ない自分が悔しかった。


「ん?そういえば、さっき散々邪魔をしてくれたあの小娘を消そうとしてる所だったな……」

そう思い出しゴルムドがセイラに迫る。

「えっ!?」

「逃げろー!!セイラー!!」

クロスセイバーはセイラを助けに行こうとするが、バドーラとスダァールがそれを邪魔する。


ゴルムドはセイラに向かって剣を突き立てる。

「消えろ、小娘……」

そして、剣を振りかぶる。

セイラは死を覚悟して目を瞑る。

だが、ゴルムドの剣は何かに弾かれた。

「何っ!?」

「よっ!遅くなって悪かった」

そこに居たのはクロガネ。

「クロガネさん!!」

「何だお前は……」

「グランスタ王国騎士団長にしてグランスタ王国最強の剣士……クロガネだ」

「グランスタ王国最強だと!?フンッ……ならば少しは楽しめそうだな……」

クロガネは『変身』

パラディンオブナイトとなりゴルムドと戦い始めた。


「クロガネさん……そっちを頼みます!」

クロスセイバーはバドーラとスダァールとの戦いに集中。


しかし、それでも強敵2人を相手に苦戦は免れない。


「くっ……強えぇ……」

「俺様達に勝てる奴なんて居ねぇ!貴様もその一人に過ぎねぇんだよ!!」

バドーラはそう言ってクロスセイバーを挑発する。


パラディンオブナイトとゴルムドも激しい戦いを繰り広げる。


「くっ……なんて強さだ……こんな奴初めてだ……」

「フフッ……中々やるね、でもそろそろ終わりにしようか?」

ゴルムドがバドーラとスダァールを再び集める。

「行くぞ、トドメだ!」

三銃士の合体技『冥界滅殺波動』を発動。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

「うわぁぁぁぁっ!?」

クロスセイバーとパラディンオブナイトは三銃士の必殺技を喰らい大ダメージを受ける。

「ぐあっ……クソッ……」

「まずい……このままじゃ……」

「2人共しっかり!」

セイラが2人に回復魔法を掛ける。

「させるか!」

スダァールが『冥道結界』を張りセイラの回復魔法を邪魔する。

「そんな……」

「回復魔法も封じられたか……仕方ない……一度引くぞ……」

パラディンオブナイトがクロスセイバーに撤退を促す。

「逃げろってのか?」

「違う!次勝つ為に態勢を立て直すんだ。戦略的撤退だ!」

「ぐっ……分かった……」

「ペガちゃん!」

セイラがペガちゃんを呼ぶ。

「よし、行くぞ!」

クロスセイバー、パラディンオブナイト、セイラを乗せペガちゃんは飛び去って行く。

「フンッ、逃げたか」

「まぁ、いいんじゃね?楽しみが伸びた」

「仕方ない、一度帰ろう」

三銃士も姿を消す。


3人も乗せ飛行するペガちゃんは限界だった。

「ペガちゃん頑張って……」

しかし、ペガちゃんは体力の限界で飛べなくなってしまった。

「ペガちゃん……ありがとう。良く頑張ってくれたね」

ペガちゃんは帰って行く。

「助かったぜ……しかし、今回は強敵だったな……」

「クソッ……手も足も出なかった……」

オビトは悔しさを募らせていた。

「セイラちゃん、すまないが回復魔法をもう一度……」

しかし、セイラも倒れる。

「セイラ!?」

「ごめん……私も限界……」

「セイラ……」

「仕方ない、セイラちゃんも無理してたみたいだからな……帰ろう。奴らも引き上げたみたいだしな」

「うん……クロガネさんセイラを頼んでいい?」

「え?それは構わないが……お前は帰らないのか?」

「バイトに戻らないと……」

「……そっか……」


クロガネはセイラを連れ寛太の家に帰る。

そして、オビトはたこ焼き屋に戻る。

「おっちゃん遅くなっちまった……」

「おう……随分遅かったな……大丈夫か?」

「ああ……何とか……」

「そうか……じゃあちょっと代わってくれ」

「うん……」

オビトはまたたこ焼きを焼き始める。

しかし、先程までの威勢の良さは無かった。

「おい、オビト君、これ今日の分だ」

店主は茶色い封筒を渡して来た。

「え?何だ?」

「今日の給料だよ。まぁ、少ないが日当だ」

「金か!サンキュー!」

「今日はもう少ししたら上がっていいぞ」

「ああ……」


その頃、魔王軍では……。

「ほぉ……中々やるじゃねぇかお前の部下の三銃士とやら」

ドラゴニルがギレースに話し掛ける。

「当然ですよ。私の自慢の部下達ですから」

「良くやったギレース……そして冥界の三銃士よ。だが、戦いを楽しむのは良いが油断はせん事だ。クロスセイバーは強い……次の戦いでも勝てる保証はないぞ?」

「はっ!分かっております。しかし、少し彼らの好きにさせてやりましょう」

「ギレース……良かろうお前に任せる」


「よし、ギレース!次は俺も行くぜ!俺が戦いの手本を見せてやる!」

とドラゴニルは意気込むが……。

「必要ありませんよ……無能な指揮官の教示等……」

ギレースのこの小馬鹿にした発言にドラゴニルは怒る。

「無能だと!?貴様〜!!」

「ギレース!確かにドラゴニルは無能だが直接言う奴があるか!」

マジョーラがギレースに注意する。

「いや、マジョーラ……フォローになってねぇ……てか誰が無能だ!!」

「これは失礼……つい口が滑ってしまいましたよ……」

ギレースはそう言って去って行く。


オビトはバイトを終え戻って来た。

「クロガネさん」

「ん?おうオビトか。お帰り」

「セイラをありがとう……どんな様子?」

「かなり魔力を消耗しているが……まぁ、しばらく眠っていれば魔力も回復するだろう心配は要らんさ」

「そっか……」

セイラはあれからずっと眠り続けていた。

「オビト、次にあの三銃士が現れたら何か作戦を考えないとまずいぞ」

「うん……でもどうすれば……あいつら見事な連携だった……」

「そうだな……」

2人は悩んでいた。

次どう戦うべきか……。


その後、寛太も帰宅した。

「ごめん遅くなっちゃった……直ぐに夕飯を……ってどうしたの?」

「おう寛太……お帰り……ちょっとな」

「って、セイラちゃん何かあったの?」

「大丈夫。魔力を回復する為に眠ってるだけだ」

「なんだそっか……良かった……じゃあ直ぐにご飯にするね。クロガネさんも食べて行くでしょ?」

「ああ……ありがとう。なら折角だからご馳走になるよ」


その頃グールは……。

「冥界の三銃士か……厄介な相手になりそうだ……」


続く……。

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