第10話「ギレースの猛攻」

新たに現れた魔王軍の幹部ギレースの必殺技『ダークフレイム』により漆黒の炎に包まれたクロスセイバーとパラディンオブナイト。

2人は大ピンチを向かえていた。

「うわぁぁぁぁっ!?」

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

「オビト!クロガネさん!!」

セイラは叫ぶ。


ギレースの黒い炎は2人を焼き尽くさんと燃え続けていた。


「ハッハッハッハッ……このまま焼き尽くしてやろうか?」

ギレースは笑いながら言う。

「くっ……そうだ!水の精霊よ……クロスセイバーに力を!アクア!」

セイラは咄嗟にクロスセイバーをアクアフォームにする事を思い付き、呪文を唱えた。

しかし、セイラの魔法は弾かれた。

「そんな!?」

「フッフッフッ……その程度の水属性魔法が効くか……」

「くっ……」

「フンッ!」

ギレースは黒い炎を消した。

「ぐあっ……ああっ……」

「くっ……何故……?」

「そう簡単に倒してしまってはつまらんからなぁ……まっ、今日はほんの挨拶代わりだ」

そう言ってギレースは姿を消した。


「挨拶……だと……くっ……舐めやがって……」

「オビト!クロガネさん!」

セイラが2人に駆け寄る。

「2人共待ってて、今回復するから……」

セイラは2人に回復魔法を掛けて体力を回復させた。

「ハァ……助かったぜセイラ……」

「2人共大丈夫?」

「ああ……だが、奴は強かったな……」


オビト達は寛太の家に戻る。


「あっ、お帰り!大丈夫?」

「ああ……だが、今回の敵はヤバかったな……」

「そんなに強かったの?」

「ああ……俺達2人掛かりでも勝てなかった……俺は国王様に報告があるから一度グランスタ王国に帰るぜ。だが、何かあったら直ぐに連絡しろ……」

そう言ってクロガネはグランスタ王国へ帰って行った。


クロガネがグランスタ王国に帰って来ると直ぐに王の間にやって来た。

そして、玉座の前で跪く。

「ロズチェス国王、ご報告が……」

「クロガネ、帰ったか……こっちもお前に伝えねばならない事がある」

「私にですか?」

「ああ、まぁ、先に聞こう」

「はっ、では……」

クロガネはギレースと名乗る新たな強敵が現れた事を報告した。

「そうか……魔王軍にはまだそんな奴が……」

「かなり手強い相手になるかと……」

「う〜ん……これから先の戦いはより厳しい物になりそうじゃな……だが、こちらの報告が役に立つかも知れん」

「と、言いますと?」

「お前に力を与えたあの箱……グランスタ王国の研究機関で色々調べたんじゃが……もしかしたらとんでもない物かも知れん……」

そう言ってロズチェス国王はあの箱について話し出した。

グランスタ王国に伝わる数ある古文書を徹底的に調べた所、いくつか気になるワードが出てきたと言う。

それもどれも似たような事が書かれていたらしい。

あの白い物体は「神の置土産」と言われかつてこの世界の危機に立ち向かう為に神がこの世界の民、つまりグランスタ王国の人々の先祖に与えた物の様で世界を危機から救う為に選ばれし者のみに使用する事が出来る神の力を宿した鎧の様だ。

「つまり……私が授かった力は神の力だと?」

「まぁ、そういう事になるだろうな……まだ全ての解読が進んでいる訳ではないが、また何か分かったら知らせよう。オビト達の手助けをしてやってくれ」

「はっ!」


翌日、日本では……。


朝からセイラは何やら支度をしていた。

「おはよ〜……」

「あっ、オビトやっと起きた」

「しゃあねぇだろ……昨日遅かったんだから……セイラどっか行くのか?」

「うん、今日もバイトの面接……」

「あれ?昨日行ったんじゃないのか?」

「昨日の所とはまた別。いくつも受けておかないと直ぐに働ける訳じゃないみたいだし……」

「ふ〜ん……」

「で?オビトはどうするの?」

「え?俺?何が?」

「たこ焼き屋さん……おじさんに謝ってまた働かして貰うの?」

「う〜ん……」

「早く決めなさいよ。遅くなると余計謝りにくくなるから……じゃあ、朝ごはんテーブルに置いてあるから、私行くね」

セイラは足早に出ていった。

寛太もバイトで既に出ていた為、オビト一人になった。


「バイトかぁ……どうすっかな……」


その頃、魔王軍では……。

「おい、ギレースお前昨日結局どこまで行ってたんだ?」

ドラゴニルが問い詰める。

「ああ、ちょっとクロスセイバーと言う奴の力を見ておきたくてね、軽く遊んでたんだ」

「何ぃ!?お前な!戦いは遊びじゃないんだぞ!!」

「まぁ、落ち着けドラゴニル」

ディアボロスが止める。

「ディアボロス様……しかし……」

「ギレースはこの世界に来たばかり……戦いの血が疼いているのだろう……しばらく好きにさせてやれ」

「はっ、有難き幸せ!」

「ったく……しゃーねぇな……」

そしてギレースは早速。

「では、私の真の初陣と行きましょう」

「お前はどんな魔獣人を使うんだ?」

「魔獣人?よしてくれよ……そんな下等な生物私が使う訳ないだろ?」


「何ッ!?テメェ……バカにしてんのか!?」

「止めろドラゴニル!」

「ぐっ……ディアボロス様……」

「ギレースは我と同じ魔族……その中でも高貴な一族の生まれだ……多少の事は目を瞑ってやれ」

「チッ……」

「では改めて……私が扱うのは冥界最強の戦士達……現れよ!冥界の三銃士!!」

ギレースは部下の冥界の三銃士を呼び出した。

冥界の三銃士、ゴルムド、バドーラ、スダァールが現れた。

「何だコイツらは!?」

「我が下僕最強の3体です……さぁ、三銃士よ。この世界を破壊し我らが理想郷を作るのだ!」

「はっ!」

三銃士は出撃。

「へぇ〜中々強そうな奴らじゃねぇか……まっ、お手並み拝見させて貰うぜ」


その頃、オビトは……。

「おっちゃん!ごめん!!……頼む……俺にもう一度チャンスをくれ!!」

たこ焼き屋の店主に謝りに来ていた。

「兄ちゃん……いや、オビト君、それを待ってたぜ」

「え?」

「たこ焼きを焼くのも簡単じゃねぇ……努力と根気が必要なんだ。俺にあれだけ言われても謝りに来て働こうってならそれは根気があるって事だ。オビト君、もう一度やってみな」

「おっちゃん……ありがとう!!じゃ、準備して来るぜ!!」

オビトは、ダッシュで戻る。

「準備?」


数分後、オビトは手ぬぐいをねじりはちまきにして戻って来た。

「よーし、代わるぜおっちゃん!いや、店長!」

「中々気合い入ってるじゃねぇか……よし、任せたぞ!」

オビトは形から入るタイプの様だ……。


オビトの威勢の良さは店に合ってるのかそれに引き寄せられる様にお客がやって来る。

「いいねぇ、お客さん呼び込むのにも十分だ」

店主、オビトを改めて見直した様だ。


一方、セイラは今日はスーパーのパートの面接に来ていた。

だが……。


その頃、ギレースの送り込んだ冥界の三銃士が現れた。

「よし、じゃあ始めるか、楽しい楽しい破壊の時間だ!!」

ゴルムドの一声で三銃士が街に攻撃を仕掛け始めた。


「!これは……魔王軍……」

セイラは魔王軍の出現を察知した。

だが、そこへ……。

「お待たせしました……」

店長がやって来る。

「ああ……ごめんなさい!!急用が!!」

セイラは店を飛び出して行った。

「あれ?ちょっと!?」


セイラは使い魔の、ペガちゃんを呼び出す。

「ペガちゃんお願い、オビトを呼んで来て」

ペガちゃんはオビトの元へ飛んで行く。


街の中心地では三銃士が人々を襲い続けている。

ゴルムドに捕まる一人のサラリーマン。

「さぁ、冥界に行きな……」

「うわぁー!?」

『フレイムインパクト』

セイラの魔法でゴルムドに攻撃。

「ぐっ……何だ?」

その隙にサラリーマンを避難させる。

「早く逃げて下さい!」

「はっ、はい……」

「魔法使いか?この世界にも居たとはね……」

「あなた達……許せない!」

「邪魔するな……小娘……」


ペガちゃんがオビトの元へ到着。

「ペガちゃん!?まさか、また魔王軍か?おっちゃん!」

「また、戦いに行くのか……いいぜ、気をつけてな」

「ああ、ありがとう!」

オビトはペガちゃんに乗り現場へ急ぐ。


「やれやれ……まっ、俺もちったぁ、理解してやらねぇとな……」

そう呟いて店主はたこ焼きを焼き始める。


セイラはオビトが来るまで必死に食い止めようと攻撃を続けるが、ゴルムドには大して効いてない。


「くっ……このままじゃ無駄に魔力を消耗しちゃう……」

「小娘……我々の邪魔をした報いだ……消えろ……」

ゴルムドは腰の剣を抜いた。

そしてセイラに迫る。

「止めろ!!」

ペガちゃんに乗ってオビトが現れた。

「オビト!!」

「何だ貴様は?」

オビトがペガちゃんから降りる。

「魔獣人!これ以上お前の好きにはさせないぜ!!」

オビトは『変身』

クロスセイバー登場。


続く……。

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