第2話「その名はクロスセイバー」

オビトは遂にクロスセイバーに変身した。


使い魔達がクロスセイバーに襲い掛かる。

「けっ!雑魚に用はねぇよ!!」

クロスセイバーは使い魔達を次々になぎ倒していく。


「さっ、ここは危険よ。早く逃げて」

セイラが寛太に声を掛ける。

「君達は何者なんだ?」

「彼はクロスセイバー。この世界を守る為に来た戦士よ」

「え?世界を守る?戦士?何がどうなってんの?」


そんな話をしている間にクロスセイバーは全ての使い魔を倒した。

「ぐっ……やるな……」

「さぁ、次はテメェだ!!」

クロスセイバーはグレンドランに挑む。

グレンドランは口から火炎を吐き応戦。

だが、クロスセイバーは炎の中から真っ直ぐグレンドランの方へ向かって行く。

「一気に行くぜ!!」

必殺技『クロスラッシュ』が発動。

2本の剣でグレンドランを切り裂く。

「ぐわぁぁぁっ!?」

グレンドランは倒され大爆発。


グレンドランが倒された事を魔王軍でも察知。

「!死んだか……」

「クソッ!クロスセイバーめ……この世界でまで邪魔しやがって!」

ドラゴニルは苛立っていた。


クロスセイバーは変身を解除。

オビトは膝から崩れ落ちる。

「あ〜……腹減った〜……もう限界……」

「ああ、ちょっとオビト!」

セイラがオビトに駆け寄る。

「ちょっと大丈夫?」

「無理……腹減って死にそう……」

後ろから寛太が近付いて来る。

「あの〜……お腹減ってるの?」

「うん」

「私達、この世界に飛ばされて来てまだ何も食べて無いのよ」

「じゃあ、ウチ来る?」

「え?」

「何か食わしてくれんのか!?」

「ああ、うん。いいよ。助けて貰ったしそのお礼も兼ねて」

「お前良い奴だな〜!!」

「あはは……じゃあ、ちょっと待ってて。車取って来るから」


その後、寛太は車を回しオビトとセイラを自宅に案内した。


寛太の家は都内のマンションだった。

「適当に座ってて。直ぐ用意するから」

「へぇ〜結構良い部屋ね」

「まぁ、俺じゃなくて父さんが借りてくれたんだけどね」

「お父さん?」

「うん、ウチの父親会社の社長やっててこのマンションも僕の独り立ち用に借りてくれたんだ」

「へぇ〜じゃあ君の家お金持ちなんだ」

「まぁ、俺はただのフリーターだけどね」

そんな話をしながら寛太は手際よく焼きそばを作った。

「さぁ、どうぞ」

「美味しそう〜」

「頂きまーす!」

オビトは早速食べる。

「ちょっとオビト!あっ、そう言えばまだ自己紹介して無かったよね。私はセイラ。で、こっちがオビト」

「宜しく」

「僕は村木寛太。19歳だよ」

「え?19歳?私達と同い年じゃん!」

「え?そうなんだ!」

「この焼きそばってうめぇな!気に入った!」

「そう?なら良かった。あっ、ごめん、俺午後から仕事に戻らなきゃ行けないんだ」

「そうなんだ。じゃあ私達も食べ終わったら出ていくね。初めましてなのにありがとう」

「いや〜俺、困ってる人を放っておけない性格でさ」

「良い事よ!」

「あ〜美味かった!ごちそうさん」

「早っ!?」

オビトはあっと言う間に食べ終わった。

「おう、この位1〜2分あれば十分だ」

その後食事を終え……。

「じゃあごめん、俺仕事に戻るから」

「こっちこそごめんね図々しく押しかけちゃって」

「焼きそば美味かったぞ。じゃあな!」

オビトとセイラは帰って行った。

「さて、じゃあ俺もバイトに戻らなきゃ」

寛太も配達のバイトに戻る。

「いや〜凄い人達だったな〜」

寛太は普段通りバイトをこなす。


オビトとセイラは……。

「良い人だったね」

「ああ、ああいうお人好しが居るんだ。この世界も捨てたもんじゃない」

「でも、私達これからどうする?」

「う〜ん……そうだなぁ……」

オビトとセイラは先程グレンドランと戦った現場に戻って来た。


「魔王軍は何でこの世界に侵略に来たんだろう」

「俺達から逃げる為って訳でも無さそうだな……」

「こんな綺麗な世界なんだもん、例え別の世界でも守らなきゃ!」

「そうだな……」


そしてその日の夜、寛太はバイトを終え自転車で自宅に帰って来ていた。

「今日は色々あって疲れたな……」

すると、道でうずくまってる人を発見。

寛太は自転車を止めた。

「あの……どうしました?大丈夫ですか?」

うずくまっていたのは若い女性だった。

「突然化け物が襲って来て……」

「え?」

寛太は辺りを見渡す。

「何も居ないけど……化け物が出たなんて本当なんですか?」

「ええ……化け物はこんな顔をしてました」

女性は魔獣人に変身。

「う……うわぁぁぁぁっ!?」

ジャッカルの魔獣人がジャッカル·キルーバが現れた。


ジャッカル·キルーバが鉤爪を研ぎ澄まし寛太に迫る。

寛太は腰が抜けて動けない。


その頃、セイラは魔獣人の出現を察知していた。

「オビト、魔獣人が現れたわ。ここから3キロ位東に行った所ね」

「分かった!東って事はこっちだな!」

オビトが走り出す。

「そっちは西!真逆だから!」


寛太は後付去りしながら何とか逃げようと試みるが一向に立ち上がる事が出来ない。


騒ぎを聞きつけた警察が到着する。

「君!そこを離れなさい!」

「お……お巡りさん……そんな事言ったって……」

刑事の1人が寛太に近付き無理やりにでも立たせる。

「ほら、早く逃げろ」

「はっ、はい!」

その刑事のお陰で何とか寛太は逃げ出す。

「撃て!!」

刑事の指示で他の刑事や警官達が一斉にジャッカル·キルーバに向かって拳銃を撃つ。


だが、そんな武器は魔獣人には全く通用しない。

ジャッカル·キルーバは素早い動きで警察を翻弄し一瞬の隙を突いて警官達を襲って行く。


「嘘だろ……」

そして、先程の刑事の首を締め持ち上げる。

「ぐあっ……がっ……!?」

悶え苦しむ刑事に向かって鋭い鉤爪を突き出すジャッカル·キルーバ。

刑事がの脳裏に「死」の一文字が過ぎり覚悟したその時……。


『フレイムインパクト』

突然、火球がジャッカル·キルーバを攻撃した。


ジャッカル·キルーバは吹き飛ばされ壁に叩き付けられる。

その瞬間刑事も解放された。

「うわっ!?ハァ……ハァ……な、何だ?」

刑事は朦朧とする意識の中で何が起こったのかその目で確かめようとする。


「ふぅー……何とか間に合った」

「ナイスだセイラ!」

そこに居たのは杖を肩に乗せたセイラとオビト。

「あのね……オビトが変な方向に走り出さなかったらもっと早く来れてたのよ!!」

「何だよ?俺のせいだって言いたいのかよ?」

「どう考えてもそうでしょ!この方向音痴!!」

「なっ!?テメェ、言いたい放題言いやがって……」

「何度でも言うわよ!この方向音痴!この方向音痴!方向音痴!」

「だぁー!!うるせぇ!!もうやめろ!!」

「あ、あのー……喧嘩してる場合じゃ無いと思うけど……」

寛太が間に入る。

「寛太!何でお前がここに?」

「それが……俺、あの怪物に襲われて……」

「ふ〜ん……あっ!そうそう、魔獣人を倒さないとな!」

オビトが気を取り直して構える。


「さぁ、来い魔獣人!今度は俺が相手だ!」

ジャッカル·キルーバは立ち上がる。


オビトは『クロスチェンジ』

クロスセイバー登場。

「行くぜ!!」

クロスセイバーはジャッカル·キルーバに斬り掛かる。


「何なんだ……あいつらは……」

先程の刑事は突然現れたセイラやオビトに驚いていた。


「あの……所でセイラちゃん、その杖なんなの?」

寛太はセイラの肩に乗っている杖が気になっていた。

「ん?あっ、コレ?私、魔法使いなの!」

「え?魔法使い?セイラちゃんが!?」

「そっ!私が魔法使いでオビトは剣士。私達別の世界からアイツらを追って来たんだ」


クロスセイバーはジャッカル·キルーバに果敢に挑むが、ジャッカル·キルーバの素早い動きに苦戦している。

「クソッ……コイツ早えぇ……セイラ、アレ頼む!」

「任せて!」

セイラは杖を構えると足元に魔法陣が出現した。

「うわっ!?」

それに驚く寛太と周りの人々。


「風の精霊よ。クロスセイバーに力を……ウィング!」

セイラが呪文を唱えるとクロスセイバーの背中に翼が出現した。


クロスセイバーは『ウィングフォーム』となった。

「よっしゃあ!!行くぜー!!」

クロスセイバーは翼を得た事でより素早く動ける機動力を手に入れた。

ジャッカル・キルーバは相変わらず素早い動きで縦横無尽に動き回る。

クロスセイバーは回転し、必殺技『スパイラルスラッシュ』でジャッカル・キルーバを貫いた。


ジャッカル・キルーバはそのまま空中で爆発。

クロスセイバーは地上に降りた。


「うっし!片付いた!」

「やったね!」

クロスセイバーとセイラはハイタッチ。


「君達は……一体何者なんだ?」

先程の刑事が尋ねて来た。

「!……俺はクロスセイバー」

「君達の事を詳しく聞きたいんだが、一緒に署に来てくれるか?」

「悪いけど、それはごめんだ」

クロスセイバーとセイラはその場から去っていく。


「あっ、待って!」

寛太が追い掛ける。


「やれやれ、彼らはヒーローと思って良いかもな」


刑事はクロスセイバー達を追うのは辞め帰って行った。


続く……。

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