第12話
浩宇が戻って来て初めて、ずいぶん時間が経っていたのに気が付いた。夕飯を一緒にと言われたが、さすがにそれは断り、志乃は部屋を後にした。
「ありがとうございました」
エレベーターに向かう廊下で、浩宇は言った。
「また来てやって貰えますか?」
志乃が言葉を返す前に急いで言葉を継ぐ。
「あの子は少し変わっていますが、優しい、いい子なんです。もしご迷惑でなければ」
そう言って浩宇は言葉を切る。少しだけ沈黙があった。
「はい。喜んで」
志乃の返事を聞いて、浩宇はほっとしたように笑った。
連絡先を交換し、来週また来る約束をして、志乃はひとり直通エレベーターに乗った。
リーシャンは志乃のことを知りたがり、大学での授業の話を目を輝かせて聞いた。時折り質問を挟むので理解しているのが分かる。しかし
彼はいつから
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