第5話 結婚システムで作成した息子が最強だった件

「ちなみに、魔王を倒した冒険者と言うのは誰なんだ?」


「ルデスという男です。英雄として称えられ、彼は王座についています」


やはり。

そうだったか。

ルデスは俺の息子だ。

それは『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』での話だが。

『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』では、『結婚』というシステムがある。

好きな女を見つけて、結婚したら子供を作ることが出来る。

子供には、男と女が持つスキルを引き継がせることが出来る。

つまり、両者のスキルを掛け合わせた強力な冒険者の誕生だ。


生まれた子供は指示出来るし、AIに動きを任せることが出来る。

俺はルデスをAIに任せた。

そしたら、AIルデスは俺と共に魔王と戦い、最後の一撃を魔王に加えた。


俺は王族の仲間入りを断った。


そうなるとほぼ、ゲームの中でやることが無くなるし、自由な冒険が出来ない。


俺はルデスに後を託し、自由な冒険に出たんだ。


奇妙な一致に俺は背筋が寒くなる。

いや、まだルデス本人に会ってみるまでは分からない。

同じ名前なだけかもしれない。


俺は気を取り直す。


「わかった。とりあえずは、お前を守るよ。ただ、勝てるかどうかはやってみないとわからないけどな」


俺は笑う。


「はい。期待してます」


ルシファーも笑った。


「ちなみに、魔王、つまり君の父上を倒したルデスのことは恨んでいる?」


念のため聞いておきたい。


ルシファーは首を横に振る。


「いいえ。恨みはありません」


ただ、とルシファーは続ける。

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