「Naatu Naatu」は予習して臨むべき(ネタバレ)
今月のスケジュールを確認したが、どうやらもう『RRR』を観に行く余裕はないようで、悲しみに暮れている。いいなぁ、せめて3Rしたかったなぁ。だってRRRだし。
ところで、私と一緒に鑑賞してやはり語彙力をなくして帰った友人について少し語ろうと思う。
彼女は、同じ職場の隣の席で働く友人――年下の可愛い子である。先週のことだ、私が何気なく「ねぇ『RRR』って知ってる?(すでにTwitterフォロワーからの洗脳済)」と言うと、「え、あっ! それ観たかったんです!」
な ん だ と……?
こんな純粋でTwitterなどと無縁そうな女子が、なぜ!
「『zip!』でチョコプラの長田が絶対観ろって言ってて。面白そうだと思ってました」
にっこり。そのときの私は、その眩い笑顔に少し溶けそうになりながらも、思わぬ同志の登場にすぐさま近隣の映画館を検索、候補日の設定をし話を終えた。
そして当日、上司の愚痴などを話しながらすき家ディナーを堪能、いざ『RRR』へと向かった。
しかし私には時折彼女が発する「ミュージカルなんですよね」と言う言葉に一抹の不安を覚えていた。そう確かにミュージカルだ、でも……。
だから冒頭「The STORY」の折、彼女の方から時折戸惑いの小さな声が上がったのは幻聴ではないはずだ。
そして迎える――
マ゛ッ゛ッ゛ッ゛リ゛!!!!!!
私も彼女も子どもの不幸には弱い。そして暴力の嵐。
恐らく彼女が予習したと思われる「Naatu Naatu」の瞬間、私はマスクの下でにっこにこだった訳だが(これについては後にまた)、彼女の心持ちを推し量ることはできない。
INTERRRVALで彼女は言った。
「『ラ・ラ・ランド』みたいな話だと思ってました……」
ご゛ め゛ ん゛ ね゛!!!!!!!!
あぁ私には説明責任があった。ふたりの男が対立する使命を抱きながらも仲良くなり、正体が明かされて戦い、しかし再び手を取り合う物語――それだけではダメだったのだ。
いっぱい人が
そのように話さねばならなかったのだ。
彼女とは映画館の自動ドアをくぐる直前、「感想は、月曜に話そう」と別れた。翌土曜が仕事日だったはずの彼女。彼女の中で『RRR』はどのように受け止められているのか、明日、明かされるだろう。ガクブルである。
さて、懺悔の時間は終わりだ。罪を告白せねば、詳細なる感想を述べられない――そんな気持ちでいたので、ここからは全力で語っていきたい。
まずは先ほど話題になった「Naatu Naatu」のシーンについていこう。
今から述べるのは、初めて「Naatu Naatu」を観たときの感想である。フォロワーから突如オススメされた動画では、どっちがどっちだか分からないふたりの髭の男が激しく踊る。しかも字幕がないから何を言ってるか分からない。
なんか、転がったお盆をドラムに……え、何この動き……サスペンダーパァン! はわわわ……ダンスバトル? 何なのこの世界は――!
それでね、これはね、ひと月ほど前の出来事。たぶん映画館に行くまでの間に十回ほどは観てます予習してました。
前情報を得ていたにも関わらず、想像していた百倍は壮絶な展開で、ひとり〇ぬ度に貧弱なマイハートはショート寸前だった。しかし、その間に挟められる「Dosti」やビームとジェニーの遣り取りに癒されつつ、あ……この流れでパーティ? え、翌日なの? ってかビーム、ラーマの家で勝手にご飯食べちゃってる可愛い……え、おしゃれしていくのねっっっっっ!!!!!(なんという恋愛展開の王道! やだきゅんきゅんする!)
ああぁぁぁぁぁぁ格好いいよビーム、ラーマぁぁぁ……!
分かっていた、私は分かっていたはずなのだ。ふたりが正装をしてパーティに臨むことは。しかし私の脳は、それまでの素朴なインドの装束もしくは筋肉、そして胸毛と筋肉で曇ってしまっていたのだ。
そうか、このふたり、めっちゃ格好いいやんんんんん!!!!!!(開眼)
からのお盆ドラムである。このとき、私は「え、お盆をドラムとか……w」と思った自分を忘れていた。にっこにこである。繰り返す、マスクの下はにっこにこだった。
嬉しかった、このシーンを迎えることが!
なんなら「ナーァトゥナトゥナトゥナトゥナトゥナトゥナーァトゥ♫」と口ずさみかけた。
わぁぁぁ大画面だと、サスペンダーめっちゃ伸びるやんんん!!(そんな訳ない)
わあぁぁぁぁビームの体幹やっべええぇぇぇぇぇ!!
ジェイクのいちゃもんも可愛く見え、遂に一緒に踊り出したジェイクに拍手したくなったほどだ。そしてラーマと一緒にサムズアップしたかった。
そしてラーマが「あ゛っ」って太腿を押さえて倒れるときの小芝居――! これは動画で予習してたからさらにクる場面だよ!
兄貴――なんという優しさ。
いやもうここまでの間に、ジャニーとの仲を取り持とうとするラーマの優しい瞳にはちょっと惚れそうになってる訳よ。
そ し た ら、動画の次のシーンは、ラーマがビームをおんぶ……だと……? ああぁぁぁぁぁビーム可愛い頑張り過ぎちゃって膝があぁっぁ……! それを嬉しそうに背負うラーマああぁぁぁ兄貴ぃぃぃぃ……!
(落ち着こう)
今思えば、「Dosti」~「Naatu Naatu」は最高に幸せだった。ただ仲良しのふたりを観ていられたもんね。それぞれの使命に顔を背けた瞬間だけは、苛立ちと厳しさを湛えてもさ。ビームは可愛いし、ラーマは格好いいもんね。
ただ、戦いのシーンが壮絶でナショナリズムが強すぎることが原因でふたりの笑顔のシーンが大好きになっちゃうけど、そこだけフォーカスしちゃダメだなとも思う。
冒頭の友人しかり誤解を生む場合もあるし、この映画の本質から言ったら「Naatu Naatu」は一番遠い気がする。(えらそう)
すっごい楽しいし、大好きだし、何なら口ずさみすぎて息子も歌えるようになってるから何回も観ちゃうけどね!!
(つづく)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます