第5話 鴨井転生朗

虚空に、スキンヘッドでサングラスの男の顔が現れた。


その顔をムネタカは各種メディアで観たことがある。


「鴨井転生朗……」


『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』、その作品は世界中で大ヒットを記録した。

その功績が認められ、エニ天堂の社員だった彼は独立し、ゲーム業界の大御所として君臨している。

そんな彼がこの世界に降臨したのだ。


「こいつは何者だ?」

「カモイ……テンセイロウ?」


アイリは首を傾げる。

彼女はカモイのことを知らない様だ。


「鴨井転生朗だと!?」

「おいおい!マジかよ!」

「本物なのか!?」

「すげぇ!」


中にはその名に驚いている者もいる。

知ってる者は知っている名だ。


反応は様々だ。


<あなたたちは、幸運なる転生者だ。『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』の世界へようこそ!>


カモイは語る。


「ふざけんな!俺たちは現実世界に戻りたいんだ!どうやったら戻れるんだ!?」


ムネタカは怒鳴った。


<残念だが、それは不可能だ。なぜなら、お前たちの肉体はとうに死んでいるからだ。今ここに居るのは魂だけの存在だ。だから、元の世界の戻ることは不可能だ。>


「なっ」


衝撃的な言葉に絶句するムネタカ。


「じゃあ、私たちこれからずっとこのままなの?」


ナオミも動揺している。


「嘘だろ?」


アイリもショックを受けている。


「なんでこんなことに?」

「どうして私たちが?」


2人の美少女は混乱している様子だ。


「クソッ」


ムネタカは拳を握りしめる。


「私たちが何をしたというの?」


ナオミは呟いた。


「まさか、これは神様の罰なのか?」


アイリの言葉に全員が黙り込む。


「神? あの鴨井が?」


冗談だろうと思ったが、カモイが姿を現したことで信じるしかない。


<蘇る術がないではない>


「えっ」

「なんだと」

「本当ですか!?」


カモイの言葉に驚く一同。


<ああ。ただし条件がある。それは、この世界を救うことだ。そのために戦ってくれ。そして、この世界を救えば元の世界に戻ることが出来るかもしれない。では健闘を祈るぞ。>


「待て! ちょっと待て!!」


ムネタカは叫んだ。


「どういう意味だよ? 世界を救えって?」


ムネタカは訊ねた。

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ゲームの世界へ異世界転生~最強チートでハーレム展開で無双する~ うんこ @yonechanish

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