第4話 美少女との出会い

「なんだろう?」


人が群がっている場所に向かうムネタカ。

人々は様々な格好をしていた。


騎士や僧侶、魔法使い等々。

中には全身鎧に身を包んだ戦士もいる。


「ん!?」


見覚えのある顔ぶれ。

あれは『アイリ』じゃないか!

その隣にいるのは『ナオミ』だ!

2人とも美少女だ!


『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』で出会ったことがある。


他にも見たことがある。


本当に素顔は知らないが、『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』で観たことがあるアバターたちだ。


「まさか、俺以外もここに転生?」


ムネタカは2人に近づいていく。


「君たちは……」


ムネタカが声を掛けようとすると、遮られる。


「あなたも転生者よね!!」


ムネタカに駆け寄るナオミ。


「えっ」


突然のことで戸惑うムネタカ。


「う、うん」

「やっぱり」


ナオミは嬉しそうだ。


「良かった。私たち以外にもいたのね」


ナオミは話し始めた。

気が付いたらここにいたこと。


「いつもの様にログインしてプレイしていたの。ガオン草原でアイリと狩りをしていた。そしたら目の前が真っ白になって気付いたら、パテキアの街の前に倒れていた」


「俺もだよ。俺もガオン草原で狩りをしていた。ゲームでの話だけど。気付いたら草原に倒れていた」


俺はこれまでのことを話す。


「ねぇ? 一体何が起きているの?」


俺は訊ねた。


「分からないわ。ただ、私たちは死んでいない。それは確かよ」


ナオミは言う。


「でも、ログアウト出来ないのは困ったなぁ」

「そうね」


ムネタカの言葉に同意するナオミ。


「それに、ここはゲームの世界では無い気がする。だって、風が吹く感覚とか、草木が揺れる音、太陽の光を肌に感じる。全てがリアルだもの」

「確かに……」


ムネタカは納得した。


「皆はモンスターと戦った? 俺はここに来るまでにドラゴンと戦った。まるで生きてるみたいだった」


「私は3回戦ったけど、1体倒したところで疲れて休憩しているうちに、他のモンスターに殺されちゃって……」


「私も同じね」


ナオミとアイリは苦笑する。


「二人はゲーム内でも噂のメンバーだからな。ドラゴンくらい容易いだろ。だけど、ゲームと違うのは体が疲れるってことだな」

「そうなの。もうヘトヘト」


ナオミは肩を落とす。


「ここのところ、現実とのギャップにまだ慣れないわ。」

「俺もさ。この世界のことをもっと調べないと。それで仲間を探すつもりだ」


意気投合しそうな雰囲気。


それを切り裂く様に、天から声が聞こえて来た。


<皆の者。良く聞け。我はこの世界を創造した『カモイ・テンセイロウ』>


『カモイ・テンセイロウ』。


その名を聞いたことがある。


俺は思い出した。


『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』を作った男だ。

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