第27話 球技大会13
「イェーイ!遥斗〜、お姉ちゃんだよ〜」
いつ来たんだ姉貴。
しかも、なんだその格好は。
「大人しくしててくれ」
「チアなのに!?」
姉貴は誰かから借りて来たであろうウチのチア部のユニフォームを着ている。
頭痛くなって来た。
「チアでも、大人しくしてろ」
「バスケと野球勝たないと詩ちゃんに負けるのに?」
誰から聞いたんだ。
まぁ、事実だけどさぁ。
てか、詩のクラスがおかしいんだよ。
全種目準決勝、決勝進出とか。
「応援よろしくお願いします」
「よろしい。
頑張ろうね、ななちゃん!」
「はい!お姉様!」
「姉貴、七海を巻き込むな」
ジャンプする七海。
揺れる、揺れまくりだ。
「七海!?」
「あ、お姉ちゃん!やほー」
「大人しくしててって言ったのに」
頭を抱える麗蘭。
確か七海は学校見学にきていたはずだ。
「凛ちゃんは?」
「凛はバスケ」
「見てくる!」
チア衣装のまま走る姉貴。
姉貴に羞恥心というものはないらしい。
「余裕だねぇ」
「詩」
ニヤつく詩。
「負けたらトップ6降格が確定するバスケは30分後。
引導渡してあげるから」
「望むところ」
睨み合う麗蘭と詩。
「氷姫には絶対負けない。
ね、遥斗」
「あぁ」
俺の右腕に抱きつく風夏。
風夏がいればバスケは負けないだろう。
「ところで風夏、秋菜は来てないのか?」
「あの子今日休み」
「そっか」
秋菜、休みなのか。
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