第25話 球技大会 11

「そういえばさ、歌恋ちゃん負けたじゃん、浅倉さんに。

これってTOP6降格なの?」


風夏は俺が気になっていたことを問う。


「どうなんだろうね、クラス順位なんじゃない?」

「ならまだ可能性はあるね」


麗蘭の言う通りクラス順位なら歌恋にはまだ可能性がある。


「ところで歌恋が落ちたら誰が座るんだ?」

「凛ちゃん」

「人気あるよねー」


歌恋が落ちた場合は凛がTOP6になるらしい。

兄として非常に誇らしい。


「凛は可愛いからな」

「親バカならぬ、兄バカ」

「シスコン」


睨まれるが事実なのだからしょうがない。

凛はかなり優れた妹だからな。

160cmの低すぎない身長にキュートすぎる顔、整った胸、シュッと引き締まった筋肉質のウエスト、太すぎない太もも、細い足、抜群の運動神経、頭脳明晰、誰にでも優しい性格、可愛い過ぎる笑顔、かまちょなところ、甘えん坊なところ、我儘なところ、少し生意気なところ等を持ち合わせている完璧な美少女だ。

凛を美少女と呼ばず、何を美少女と呼ぶのか俺には理解できない。

それくらい俺の自慢の妹は可愛い。


「凛みたいな妹を持てばわかる。

凛みたいな妹がいたらシスコンにならない方がおかしい」


俺は断言する。


「キモォ」

「遥くん、凛ちゃんのこと好きすぎ」

「大好きだよ」


ブルっと震える風夏、苦笑いの麗蘭。

俺は凛を愛してると言っても過言ではない。


「彼氏出来たら?」

「家族面談するから」

「キモ」


凛に彼氏なんて出来た日には俺たち椎名家は解決するまで寝ないだろうな。


「自由でいいじゃん」

「ダメ!凛は純真無垢だから騙される」


俺は麗蘭に顔を近づける。

チャラ男に騙されたりしたら取り返しがつかない。


「家族面談ってなーに?」

「気にすんな」

「彼氏出来たらそうなるの〜?」


聞いてたのね。


「まぁ、親父が特に心配するだろうな」

「パパかぁ、にぃには?」

「勿論めちゃくちゃ心配」

「じゃあ、作らない。パパもにぃにも心配させたくないから」


素晴らしい!素晴らしいぞ凛!

なんて家族思いなんだ。


「凛、ゆっくり成長していこうな」

「うん」


俺が頭を撫でると凛は微笑み返す。

可愛いにもほどがあるだろ。

なんだこの生き物。


────────────────────


「キモい」

「うん」


私と風夏は苦笑いを向け、ボソッと呟く。

ーーかなりマイナスだなぁ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る