第21話 球技大会⑦

球技大会は俺達が入学するずっと前からTOP6の覇権争いでもあるらしい。

TOP6要するクラスに敗北は許されない。

敗北すれば、TOP6の座を降ろされ、二度とTOP6の座に返り咲けないこともあるとか。

梨依奈先輩は現TOP6の中で唯一の三年生のため、関係ないが詩率いる2ー1は麗蘭と風夏を要する俺たち2ー2に絶対負けてはならないらしい


「絶対勝つよ!」

「ッシャー!」


開会式前、教室に集まった俺たちは麗蘭の掛け声に合わせ、円陣を組み、雄叫びを上げた。

男女共にやる気満々だ。


「長い」


開会式恒例の中年教師による長ったらしい説明。

かれこれ20分くらい話している。

プリントでも配ればいいのに。


「にぃに〜、眠い〜」


開会式が終わり、各々が出場競技の会場に散ると俺と同じくバスケに出る凛が後ろから抱きついて来た。


「まだ眠いのか?」

「うん」


髪の毛を撫でると凛はあくびし、小さく頷き答える。


「体調悪いのか?」

「本調子ではないかな、腰痛くて」


女の子の日なんだろうか。

可哀想に。


「凛〜行くよ〜」

「うん〜」


クラスメイトに呼ばれた凛は俺から離れ、身体を伸ばす。


「行ってくりゅ」

「頑張れ」


手を振り合った俺は心の底から活躍を願う。


────────────────────


バスケの初戦、ラスト2分。

クラスメイトからパスを受け取った私はドリブルしながらパスする味方を探していた。


「麗蘭!俺だ!俺によこせ!」


声を張り上げる遥くん。


「遥くん!」


私はペネトレイトでディフェンスを抜き、パスを出した。

ーー決めて。


「凄い」


遥くんはNBA選手のように飛び上がった。

その姿はまるでジョーダンのようだ。

私は見惚れる。

私の好きな人はこんなにもカッコ良くて勇ましい。


「ウラァッシャー!」


ダンクを成功させた遥くんは雄叫びを上げ、みんな、来いとばかりに手を大きく広げる。


「かっこよかったよ」


私は1番に抱きつき、スリスリした。

遥くんが野球選手ではなく、バスケ選手なら私は遥くんのマネジャーをしているかもしれない。


「初戦突破!!」

「このまま、No.1になろう!」

「うん!」


私たちは初戦を制した。

私と遥くんは満面の笑みでツーショットを撮り、強くハイタッチを交わす。

ーーやった!待ち受け決定♡

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