第5話 麗蘭と遥斗、ドッキドキ初デート〜約束〜
今日はオフ日。
帰宅した私は部屋着に着替え、ベッドに寝転がって、小説を読んでいた。
「あぁ、私も遥くんとこんな恋愛したいよぉ」
恋愛小説は妄想を加速させてくれる。
今読んでる恋愛小説は主人公と主人公の彼氏が初デートに行くお話。
初デートでは池袋の水族館へ行く。
水族館で二人は初めて手を繋ぎ、お土産にお揃いのぬいぐるみを買う。
いい!いいよ!尊いよぉ!こういうのしたいよぉ!
「そういえば」
私はあることを思い出し、起き上がる。
「ママ〜、パパが近いうちにくれるって言ってた水族館のチケットっていつでも行けるの〜?」
「そこの戸棚にあるよ」
私は階段を降りて、台所で夜ごはんの準備をするママに問う。
ママは戸棚を指差す。
「もうくれてたんだ」
「うん、昨日酔っ払って帰ってきた時に」
確か昨日は朝から上司の人とゴルフで、その人と夜までいたんだっけ。
「やった!」
戸棚に入っていたチケットを確認するとチケットはペアチケットでバックヤードツアー付きだった。
私は小さくガッツポーズする。
「パパにお礼いいなさいね」
「うん!」
ありがとう、パパ!
「誰と行くの?」
「遥くん!」
「頑張れ!」
私は満面の笑みで答えた。
ママはウインクで返してくれる。
「遥くん、次のオフ日、水族館行かない?」
私は急いで階段を上がり、緊張しながらLINEを打った。
『いいけど、チケットは?』
「やったぁぁぁぁぁぁ!」
私は激しくガッツポーズし、雄叫びを上げた。
初デートだぁぁぁぁぁぁ!
「パパがくれたの」
「そっか、なら楽しもうぜ」
「うん!」
私は喜びを隠しながらLINEを打つ。
最後は隠せなかったけど。
何はともあれ、楽しみだ。
「この小説みたいに行くといいな」
私はまた寝転がり、小説を読む。
ーーお願いします神様。
────────────────────
「麗蘭、嬉しそうだったな」
俺は頬を赤く染め、LINEのメッセージを見る。
麗蘭はどんな服を着てくるんだろうか。
非常に楽しみだ。
この日はなんとしても二人きりにしよう。
麗蘭も二人きりを望むだろうしな。
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