第13歩 映画デート【後編】

 村田さんもアニメとか好きなんだと言うことを知れただけでも勇気を出して良かったな。




 そして今は「服をみたい」という村田さんの後ろをついていく。


 つまり村田さんの色々な服装が見れるって事……!?


 何言ってんだ自分キモイな。でも少し楽しみにしている自分がいてウンザリする。


 今の服装はジーンズにパーカーというラフでちょっとボーイッシュな感じの服装。果たしてどんな服を見るのだろうか。



「私ファッションに疎いからさ、男の子の村上くんから見てどう思うか率直な感想を聞かせて欲しい」


「俺もあんまりファッションに詳しいわけじゃないけど、それでもいいなら……」


「うん、お願い」


 ファッションに疎い女の子っているんだなぁと新たな発見。

 こういう固定観念が争いを生むのだ。気を付けよう。


 しかし、村田さんは何を着てもきっと似合うと思うので感想を言うのも難しい。


 率直な感想って「かわいい」「似合ってる」とかしか言えないんだけど!?

 しかも「可愛い」とかは死んでも言えないが!? キモイって思われるが!? 引かれるが!?


 どうすればいいんや……。まぁ、ファッション詳しくないって事は伝えたし、それでも良いって言ったのは村田さんだからな。




 まず村田さんが試着したのは少し短いスカートとなんかよく分からんキャラのついたパーカー。


「部屋着っぽくていいと思う」



 次に少し長めのスカートに詳しくないから分からんけどカーディガン?的なの。


「清楚っぽくていいと思う」


 その後も色々と試着していたが、何と言っていいか分からん服装ばっか。

 雰囲気でしか説明出来ないような服装だ。


 量産型地雷系や、清楚系、セクシー系、韓国系、どこにあったのか分からんけど浴衣。スポーツ系、ロック系、ストリート系、ロリータ系、ギャル系。


 そして不思議ちゃん系の訳分からんのいっぱい着けてたり……。


「ブロッコリーのネックレスとかあるのかよ……」






 とまぁ、この他にも色々あったが全部村田さんは似合っていた。


 セクシー系とかギャル系とかは露出が高くて目のやり場に困った。

 村田さんも何気に少し恥ずかしそうだった。


 恥ずかしいなら着なければいいんじゃ……。


 まぁ、一度は試着してみたい気持ちも分からなくはないけど。



 結局村田さんは1番最初に試着したものと、清楚系の服を買った。









 その後適当にお店の中を見て歩き、解散の流れとなった。


「今日はありがと」


「こちらこそ、奢ったりしてくれてありがとね」


 最初は一体どうなる事やらと不安しかなかったが、案外楽しかった。村田さんも楽しんでくれてたのなら尚良いんだけどね。


「よ、良かったらまた今度一緒に遊びませんか……」


 最後また緊張してしまって敬語になるが、勇気を出して誘う。


 この返答次第で今日楽しかったかの答えも知れるだろう。


 ゴクリと唾を飲み込み返事を待つ。


「もちろん」


 村田さんはニコッと笑みを見せサムズアップする。



 よ、良かったぁ……。これで断られていたら俺は高校生になってから積み上げてきた自信が0に……いいやマイナスになる所だった。


 安堵しつつ村田さんと別れを告げ家に帰る。



 またいつもの通り1人になり、あの時あんな感じにしとけば良かったんじゃないか? あの行動キモくなかったかな? 等と反省会を始めるのであった。

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