第69話 繋がり
「なあ、カーリー、アウが戻るまでもう少し待ってようか?」
「どうして?」
「いや、アウが心配じゃないか?」
「うーん、わかんなーい」
「そうだよなあ。じゃあさ、少しお話しをしていようか?」
「うん、いいよお!」
「カーリーが前のゲームで協力したタイチ? はどうして帰っちゃったのかなあ?」
「わかんなーい。でもね、とちゅうまではすごくすごくがんばったんだよ?」
「そうなの? どんな所を通ったの?」
「うーんとねえ、カーリーの世界はねえ、ジャングル! わなや魔物も出るからとっても危険なの!」
「ええ? 罠や魔獣? えげつないな、そりゃあ大変だ」
「うん! でも、ゲームのルールが変わったし、僕もいっしょにいたから大丈夫だったんだよ?」
「おお、さすがカーリー。それで?」
「カーリー、すごい?」
「すごいすごい! それでそれで?」
「うん、でね、渡れるけど渡れない場所があってね、そこをのぼっていったの」
「登って?」
「うん、そうだよお。タイチはがんばったんだあ」
「そっかあ」
「それでね、とちゅうであいつが落ちてきたの」
「あいつ?」
「うん、おっきな緑色のお星さま」
「え? お星さまが落ちてくるの?」
「そうだよお、僕の世界はジャングルにお星さまが落ちてくるの」
「マジか。それ、助からないじゃん? どうするの?」
「でもね、僕の世界の全部が壊れるんじゃないの。たくさん壊れるけどたくさん生き残るの」
「なるほど、星がぶつかるんじゃなくて隕石が落ちてくる感じか」
「わかんなーい」
「う、うん。で、タイチはその星にやられちゃったの?」
「ううん。タイチは登ってる途中で落ちてくるお星さまを見てもうダメだって飛んじゃったの」
「え? 飛んだ? 登ってる途中で?」
「うん、そうだよお」
「せっかくなかよしになれたのになあ。ざんねんっていうんだよね?」
「う、うん、残念だったな。じゃあタイチは高いところから落ちて帰ったんだな?」
「そうだよお」
「じゃあさあ、えーっと今行方不明になってる七頭はどうなったの?」
「わかんなーい。えーっとねえ、この前、クラとアウが話しててえ」
「うん」
「えーっとお、えーっとお。ウスはトモコとどうかしてそのあといなくなっちゃった。テペは負けたことないのに戦って負けちゃったんじゃないかって言ってた」
「ちょっ、えっとトモコ? って言った? それ清水智子じゃあ? えっと、トモコと一緒にいたのは、えーっとウス? そのウスはどんな人なの?」
「えー? ぼくはうすきらーい! いっつもいじわるなことをいうんだよ? ぼくとアウがおしゃべりしてるだけなのにね」
「ああ、うん、そうなんだ。で、そのウスの世界ってどんな世界なの?」
「ウスはねえ、海の世界だよ」
「海? え? 海? 火山とか、燃える大地とかじゃないの?」
「あははは。ニシハタはおもしろいねえ。ウスは海の世界だから燃えたりしないよ?」
「ああ、そうなのか」
やはり思い過ごしか。
「あ、でも今回のゲームの前にアウが言ってたよ。クラがテペとウスに悪い事をして、テペは切り刻まれ、ウスは燃やされたって。だからクラは三角に叱られて出てこれないって」
「カーリー! それ重要! ほんとにアウがそう言ったの?」
「うん、わかんなーい」
「そっかあ。こうなるとやっぱりアウの帰りを待たないとだなあ。で、オレも教会なんて言ってる場合じゃないなあ、戻ってタニさんに報告しないと、ってカーリー、どうやったら帰れるの?」
「うーん、わかんなーい」
「ですよねえ!」
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