第六の夢

第64話 三角会議

「なかなかに難しいことだな、ガル」


「うむ。せっかく適格者が現れたというのに、まったく今代の七頭はなっておらんな」


「けっ! だから七頭なんて入れ替えちまえばいいって言ってるだろうが! いつまで今の七頭を続けるんだ?」


「致し方あるまい、ウィ。お前も面白ければなんでも良いと言ったではないか」


「ああ。確かにそう言った。そうは言ったがよお、こりゃあんまりだぞ」


「確かにな。まさか七頭のクラがあそこまで動くとは思いもせなんだな」


「クラはまだ適格者には会っていなかったんだろう? なんであそこまで成長したんだ?」


「わからんな。我々にもまだわからぬこともあるというものだよ、ウィ」


「えらそうに言うな、ガル! お前わざわざウスの世界まで出張って適格者を連れだせなかったんだろうが」


「そう言うな。ウスとの同化が完全ではなかったのだ。あの時点でクラの奴めが邪魔せなんだらこちらに引き込めたであろうがなあ、なあオト」


「うむ、そうであるな。しかし今回のゲームではいろいろな収穫もあった。我らの目的を達成するためにはまだまだゲームが足りぬこともわかったではないか」


「確かにな。その点は同意するぜ。もっとゲームを続けなきゃ先は見えねえな」


「そうだな。しかし今回のクラの処分はあれでよかったのか?」

「他にどうせよと?」

「クラは適格者なしであそこまでの成長を見せたのだぞ? 少々もったいない気もするがな」


「まあもうテトが食っちまったんだろう? 言ってもはじまらねえよ」


「まあそうであるな。して、クラを喰ったテトに変化はないのか?」

「うむ、今のところ取り立てて変化は見られぬようだ」


「難儀な物であるな」


「あれはどうなったんだ? テペは?」

「ああ、あれはもう修復不可能だな、なかなか面白い考えをしていたが」

「そうよなあ」


「で? ネロは?」

「あやつは適格者との行動で一段階進んだようだが」

「が? なにかあるのか?」

「うむ。ネロのこれからは見守るしかなかろうな」


「ウスは?」

「ウスも一段階進んではいるが完全ではないな。しかもこちらに不信感を抱いておるようだ」

「ふむ、では処分で?」

「そうよなあ。まあ適格者も人間世界に戻ったことだしな。処分でよかろう」


「じゃあ結局七頭で残すのはアウ、カーリー、テトの三つ頭か?」

「それでどうであろうな?」

「どうであろう? 次に来るものにアウとカーリーの二つ頭を付けるというのは?」


「さすがにそりゃあやりすぎじゃねえか?」

「いや、良いのではないか? ここまでなかなか適格者が出ずに来たのだ、今回のルール変更によって協力者の力によっては適格者を増やしていけるかもしれぬしな」


「で? 本来どっちが協力者だったんだ?」

「アウ、であるな」


「まあどうせ今回の七頭はこれで終わるんだ、どうなるか見るのもおもしれえ」


「では、三角の権限により、次のゲーム。アウ、カーリーを協力者としてスタートするものとする」

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