第6話 七頭会議(1)

「ねえねえ、三角のお話って何だったの? ねえねえ、クラァ! 教えてよお」


「うるさいなあ、カーリーは少し黙っててくれないかな? みんなが揃ったらちゃんと話すから。もう少し座って待っててよ」


「ホホホーイ! 無理無理! じっと座って待つなんてカーリーには無理に決まってるじゃないですかあ! それは私に黙れって言ってるのと同じですよ! 面白いことを言いますね、クラさんも」


「君も君だよ、アウ。おしゃべりはみんなが揃うまでにしてくれよ。ほら、テトを見てごらんよ、静かに座ってるでしょ。ああやって待つんだよ、カーリーもアウも、テトをお手本にして」


「「はーい」」


「えっと、あとはテペとネロか。来ないかなあ? 来ないだろうなあ」


「おい! クラ! 早く始めろ! 待ちくたびれたぞ!」


「ああ、うん。もう少し待ってくれないかな、もう少し待って来なかったら始めるから」


「あー! ねえねえ、ウスもしゃべってるう! ウスもおしゃべりしてるよ、アウ」

「ホホホーイ! ほんとだよねえ! おしゃべりしちゃダメなのにね、カーリー」


「うるせえぞ! カーリー! アウ! やろうってんなら相手になるぜ!」


「この手の方は自分が一番うるさいってことに気づかないんですよね、困った方です」


「なんだと! かかって来いよ! アウ!」


「まあまあ、イライラする気持ちは分かりますが、ここは抑えてください、ウス」


「ちっ!」


「はぁ。まああの二人は待っても来ないかもしれませんね。仕方がありません。始めましょうか」


「「はーい」」

「おう」

「……」


「皆さん、席につきましたか? はい、では始めたいと思います。先ほど三角の皆様から今回の七頭会議の議題を頂いてまいりました」


「ねえねえ、なんだろうね?」

「ホホホーイ! わかりませんよ、そんなの」

「うるせえ、殺したくなってきた」


「はい、それでは発表しますね。次回開催の舞踏会ゲームにはそれぞれの教会いえを使って世界を構築すること。誰を選ぶかはランダムとすること、なお選定方法は任せるとのこと。そしてここからがいつもと違うのですが。こほん。次回の舞踏会参加者にそれぞれ頭がついて指導すること、ただし直接的な関与は認められない。とのことです」


「「「「?!」」」」


「ねえねえ、どういうこと?」

「はい、説明しますね。これまで私たちの役割は世界を構築し、教会をゴールとして誘導すること、そして開始の合図をすることと終了の合図をすることでした」


「うーん、わかんない」


「まあ、カーリーには難しかったですかね。えっと始めるよと終わったよ、って言ってましたよね」


「うん!」


「それが役割でした。次からは、世界に来てくれた方をお出迎えして一緒にゴールを目指しなさいってことになります」


「一緒に?」


「ええ。ただし、直接お手伝いをしてはいけません。答えを言ってもいけません。ヒントはいいかもね」


「むずかしいよお! ねえねえ、わかんないよお。クラァ、いったいボクは何をしたらいいの?」


「僕たちは直接お手伝いをすることはできません。参加者にそれぞれ頭がついて、彼らが自分たちで世界のゴールを目指すように指導することになりますね」


「でも、それって今までと違ってかなり大変じゃない?」


「確かに、今までとは違うやり方です。ただ、それが三角のご提案だと思います」


「だってさ、うーん。ま、やって来た人たちにいろいろヒントを与えればいいってことね。ま、なんとかなりそうかな」


「それでは皆さん、それぞれが担当する役割をしっかりと果たして、成功に向けて進んでください」


「「「はーい」」」」

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