第2話
目を覚ます。見覚えのない場所だったため、周囲の情報収集に意識を向ける。だが、分かることは少ない、黒色の岩肌、無音。
俺ここで何してん――――ああ!思い出した、俺狐になったんだった。
「こんこん!こっ!」
可愛らしい鳴き声が部屋に響く。どうやら、言葉を放つ事は出来ないようだ。
そうだ、あのよぼよぼ神様が言っていたアレやっとくか。
(ステータス!)
「くぉっん!」
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【名前】 テンヤ
【種族】 子狐
【状態】 空腹
【レベル】 1
【HP】 6/6
【MP】 3/3
【攻撃力】 4
【防御力】 3
【魔法力】 6
【素早さ】 5
【称号】 九尾の狐の加護
《鑑定》 《剣技》 《無限の胃袋》 《光魔法》 《噛み付く》
【スキルポイント】0
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どこが簡単には死なないだよ、見るからに弱そうじゃねぇか!
スキルの最初の4つは神様に貰った物だ。
「ぐぅーー」
【状態】でもある通り、お腹が空いてきた。けど、どうしよう、俺当たり前だけど魔物食ったことないんだよな。大丈夫かなー。
うーん、よし!とりあえず食ってみよう!
という訳でやって来ました、川!
いや、俺も魔物食おうとしたよ、けどさ、少し歩いたところに川があってそこに魚が泳いでるんだよ、魚食うしかないだろ。
あれ、だけどどうやって取ればいいんだろ?狐って水の中入って大丈夫だったっけ?
そんなこと考えながら川の近くに寄って行くき、川を覗いているとピラニアのような魚が飛び跳ねてきた。耳に噛み付かれた。
いたい、いたい!
「きゃん、きゃっん!」
頭をぶんぶんと振って振り解こうとする。それが功を奏したのか、魚は陸に放り出された。
ふっふっふ、これでもう逃げられないぞ。
「くぉ、くぉん」
魚は当たり前だが陸では動けないので、地面をぺちぺちと足掻いている。
一応鑑定してみようか。
「くぉっん」
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【名前】―
【種族】ブルベフ
【状態】好調
【レベル】2
【HP】3/5
【MP】0/0
【攻撃力】4
【防御力】3
【魔法力】0
【素早さ】4
【称号】―
《飛び跳ねる》
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こいつ、魔物だったのか。
スキルは魔物か人類しか持っていない。
ま、ちょうどいいか。魔物を俺は食えるのかという実験になるしな。
「こんっ」
スキルの《噛み付く》を使った。ブルベフはどうにか逃れようとするが、【HP】はみるみる減っていき、0になった。
よし食おう、と思ったけど生魚じゃん。どうしよう、無限の胃袋とかいかにも、何でも食べてよさそうなスキルあるし大丈夫だと思うけど……
まぁ、いいや。
男は度胸! と思い、ブルベフの身を嚙み切る。意外と上手い。空腹のスパイスが効いててガツガツ食べてしまう。
ふぅ、美味しかった。
確認してみるか。
「くおっん」
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【名前】テンヤ
【種族】子狐
【状態】空腹
【レベル】2
【HP】8/8
【MP】4/4
【攻撃力】6
【防御力】4
【魔法力】7
【素早さ】5
【称号】九尾の狐の加護
《鑑定》 《剣技》 《無限の胃袋》 《光魔法》 《噛み付く》
【スキルポイント】2
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あんまり成長してないな…
よし、もっとブルベフ食おう!
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