No.2-31:固有魔法
更新遅くなりすみません。お待たせしました。
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「いつでも来るがよい!」
「はい!ではいきまーす!『
クライスが魔法を唱えると、彼女の背中から四枚の透き通った赤い羽根が生える。その羽の周囲では赤い光がキラキラと輝いており、本物の妖精のように可愛く幻想的だ。
「いきますよー!せやぁ!」
彼女は背中の羽を駆使して目にも止まらぬ速さで空を舞い、手に持った短剣でグレースに切りかかっていく。彼女が舞った軌道上には赤い光が落ちていき、それが線となって幻想的な光景が広がる。魔法の名前通り、
「ほう、見たこともない魔法じゃな。綺麗じゃの」
それを
「はぁはぁ、やりますね」
「どうした?もう息切れか?」
「まさか、ここからですよ。『
クライスが次の魔法を発動させると、背中の四枚の羽が燃えはじめ、その炎は四本の炎の線となってグレースに対して伸びていく。当のクライスはかなり苦しそうにしているが、それを気力でねじ伏せているようだ。
「ぬっ!?」
グレースはその炎から逃げようとするが、炎はどこまでもグレースを追尾する。
「逃がしませんよ!『
クライスからとても綺麗な歌が響き、それに合わせて炎はより強く、より勢いを増していく。そして炎はいつしかグレースの周囲を取り囲んだ。
「これで終わりです!『
最後の魔法を唱えると共に、グレースの周囲にある炎が爆発。土煙の代わりに大量の火花がキラキラと舞いとても綺麗だ。
「『
「っ!?」
「かつて人は妖精を檻に入れて愛でていたそうじゃ。そのペットが脱走したのなら再び檻に入れないと行けぬの。で、続けるかの?」
「ま、参りました」
中々に派手な炎だったが、爆発の中から現れたグレースは無傷だった。自身の周りを氷で覆い爆発を防いでいた。そして同時にクライスの周りに氷の檻を作り、檻からクライスに向けて棘を伸ばして動けない状態にした。これはグレースの勝ちだな。クライスもへとへとだったようで、魔法が解除されると同時に倒れこんだ。
・おおおおおおおお!!
・すげぇ!!!
・かっけぇ!
・888888888
・正直グレースくんやられたかと
・いつの間に魔法を発動したんだ!?凄すぎ!
・クライスちゃんもお疲れ!
コメント欄も大盛り上がりだ。いつの間にか野次馬も増えていて、彼らのテンションも上がっている。
「はぁはぁ、で、どうでした?」
「フェアリー……なんじゃったか」
「
「そうそう、それを使いこなせれば今回の依頼に連れていってもよかったのじゃがな。かなり無理してるのじゃろう?体力不足も目立つ。固有魔法を発現したばかりかの?」
「はぁ、そこまでわかるんですね」
「これでもAランク冒険者じゃからの。固有魔法を見たことくらいある」
・固有魔法ってなに?
・なんぞそれ?
・誰かー!解説プリーズ!
・意味合い的にユニークスキル的なやつかな?
・それかギフト的な?
「あー、その固有魔法について解説くれるか?」
「ぬ、といっても言葉通りの意味じゃがの。特定個人にしか扱えないから固有魔法という。固有魔法を発現させるのは1000人に1人といった所かの。まぁそれなりにおる。ただし、固有魔法は扱いが非常に難しい、というか覚えるのが大変じゃ。その魔法を扱えるのが一人しかおらぬのじゃから、参考になる資料も教師もおらん。魔力の扱い以外は全部自分で開拓していかねばならぬ。使いこなせれば強いが、使いこなすのはいばらの道よ。故に固有魔法を使いこなせる人間は少ないの。そういう意味ではクライスはよくやっている方じゃ」
「あ、あと固有魔法を覚える前は来訪者として活動してたんですけど、覚える際に
・かっこいいと思ったけどクライスの補足でやる気失せた
・固有スキルだからシステムに組み込めないということかな?
・何となくそんな感じっぽい?
・システムは大枠だけ作って、後はその中で自分で開発してねって感じか
・↑これを来訪者では出来ないから再生者にしたと。
・うーん、難しい
ちなみにグレースの氷魔法も”氷魔”という固有魔法だそうだ。そういうのもあるのか。いつか俺も覚えてみたいものだ。
———あとがき———————
明日(2023-5-7)の更新はお休みします。5/8から再会です。
PS.GWということで帰省してました。肉も寿司も美味しかったです(*´▽`*)
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