No.2-14:ボスとボスドロップ
「さぁさぁ、ボス戦です!ボスは何が来ますかねぇ?」
「何が来ても変わらないと思うにゃぁ」
・わかる
・wktk
・何が来るかな♪何が来るかな♪
・何来ても安定して倒せそう。
そしてボス部屋に入り現れたのはシルバーゴーレムだった。
「げぇっ」
「どうしたのにゃ?」
ボスを見て凄い嫌そうな表情をするシイラ。普通のシルバーゴーレムにしか見えないんだけどな。しいていうならサイズが4mと少々大きいくらいか。
「あれはピュアシルバーゴーレムという魔物で、別名『アンチマジックゴーレム』っていわれるような魔法使い殺しの魔物なんですよ。」
「そうなの?通常のシルバーゴーレムと何が違うのにゃ?」
「見た目の違いはそんなにないですよ。しいていうならピュアシルバーゴーレムの方がちょっと綺麗かな?ってくらいですね。一番の違いは魔力です。あいつ一切混じり気のない銀100%で動いてるので、魔力を一切通さないんです。つまり魔法が効かない。だからアンチマジックゴーレムとか言われてるんです」
「???銀は魔力通さないのかにゃ?
「銀は本来魔力を通さない物です。だからこそ魔力との相性がいい
「なるほどだにゃー」
・ほえー、また一つ詳しくなっちまった
・魔物って魔力で動く生物じゃないん?何で動くん?
・厳密には魔力ではなく魔素から産まれる生物だからでは?
・よくわからんな
「コメントにありましたが、魔物は魔力のみで動くわけではありません。たとえばゴブリンなんかは人体と同じように心臓とか脳みそがあります。ただゴーレムは魔力で動くというのが通説です。なので魔力を一切通さないピュアシルバーゴーレムが何故動くのか。これは魔物学会の謎と言われています。ただ、今もそうかは知りません。あくまでも千年前の知識ですからね」
・ほーん
・そっかー
・で、どうするん?
・どうやって倒すん?
・本当に魔法が効かないのか見せてほしい
「アンチマジックゴーレムに魔法は効きません。一発試してみましょうか。『
シイラが魔法を発動させると、以前見た黒炎がゴーレムの全身を覆う。しかし直ぐに魔法は弾け、炎の中から一切の傷が付いてないゴーレムが現れた。
・あれって蜘蛛を一瞬で灰にした魔法だったよね?
・
・あの魔法で無傷とかまじか
・本当に効いてないみたいだな
・てか何で襲ってこないの?
そういえばそうだ。俺らはボス部屋に入ってるのに、シルバーゴーレムは動く気配がない。派手な魔法に当たったのに。
「あ、襲ってこない理由ですか?それは私たちの周りに魔力を偽装する結界を張っているからですね。ゴーレムは人の魔力を探知すると動きだすんですけど、今はその魔力を空気中に漂う魔力と完全に同一化させてます。なので何かしらの要因でダメージを受けようと、人を探知できない以上ゴーレムが動くことはないんです。ちなみに人の魔力しか反応しないので、魔物や動物に襲われても反応はしません。従魔やペットの場合は別ですけどね。人の魔力が混ざってるので普通に襲われますよ」
「いつの間にそんな高度なことしてたにゃ?」
「僕は戦闘が苦手なんですよ」
・戦闘が苦手(魔物を倒せないとは言ってない)
・魔法で蹂躙出来てる時点で苦手とはいえないような??
・苦手(前作基準)
・苦手(ソフィアちゃんと比べて)
・草
「ではこいつをどうやって倒すのか。ですけど、一番簡単なのは剣とかハンマーとかの近接職が攻撃することですね。それが一番楽です。でもまぁ、魔法で倒す方法もあります。純銀は魔力を弾くと言っても限度がありますからね。その限度を超える魔力を叩き込めばいいんですよ。では行きます。『
その瞬間、信じられない程の魔力がシイラから放出され、そのすべてがピュアシルバーゴーレムに襲いかかった。その大量の魔力は空間を捻じ曲げ、ゴーレムがあらぬ方向へとねじ切れていく。そして最後にダンジョンが崩壊するんじゃないかというくらいのとてつもない爆発が発生し、眩い光に包まれて何も見えなくなった。
・何も見えん
・何が起こった??
・なんか空間が捻じ曲がってたのは見えた
・けどその後がようわからん
・画面が真っ白。音もヤバイ
視界が戻り、周囲を見渡せるようになる。視界の先では巨大なクレーターが出来ており、ゴーレムの存在は一切の破片も残さず消えていた。そしてこの状況を引き起こした当の本人はというと地面に倒れていた。
「魔力尽きましたー。もう動けないので後はソフィアさんお願いしますー」
まぁ、空間が捻じ曲がる程の魔力を出してたもんな。これで魔力尽きてなかったらそれこそ本当に化け物だよ。
・最後の最後まで化け物で草
・結局罰ゲームは無しかぁ。
・見たかったなぁ
・また次回に期待しよう!
「シイラが動けないみたいだけど、例に漏れず宝箱出てるから見に行くのにゃ。」
・宝箱キター!!
・wktk
・ヤッター!!
・中身何かなー??
「んー、金にゃ。これもしかして魔金かにゃ?」
「あー、それは魔金ですねぇ。良かったですねぇ。これでいい武器作って貰えますよ」
倒れているシイラにドロップアイテムを確認してもらうと魔金だったようだ。これでヘストに言われていた素材は揃ったな。何が出来るか楽しみだ。
・おおおおお!
・魔金って何??
・教えてシイラ君!!
・てか本当に動けないんだな。ずっと倒れてるじゃん。
・魔力が尽きたっていってただろ()
「えーっと魔金っていうのはですね。
・ほへー( ゚д゚)
・ってことは火の魔金で作れば魔剣が出来るってこと?
・じゃぁ
・そういうこと??
「いいえ、魔剣や聖剣を作るには両方とも必要です。片方だけではいい武器どまりです。魔金と聖銀は混ぜると互いの効果を高め合るという性質を持っているので、両方を混ぜて作った物が魔剣や聖剣と呼ばれる物になります。と、いっても相当上手くやらないとゴミにしかならないので、作るのは難しいですけどね」
・へー
・なるほどなー
・そしたら対アンデット特攻+炎属性とかそういうのが出来るのかな?
・魔力の通りが良くて頑丈でアンデット特攻があって更に属性もあって?やばくない?
・ガチャみたいなものか
・作れたら凄いことになりそう
・ガチャwww
「完成するとどういう効果を持つかですか?それは作り手の腕によりますね。大抵はアンデット特攻か属性かのどちらかが超強化された物になります。コメントにあったような『アンデット特攻があり、属性があり、頑丈で柔らかく、魔力の通りが良い』・・・っていう双方の長所を全部引き継いだ武器は魔剣/聖剣よりもランクが一つ上になり『神器』と呼ばれる物になります。神器はまだ作ったことないので、いつかチャレンジしたいですね」
・なるほどなー
・流石にそう都合がいいことはないか
・神器かぁ。見てみたいなぁ
・いつか見せてくれるでしょ
・ってかシイラ君にも作れないものがあるのか。意外だ。
・将来が楽しみですね!
・シイラ君も人間なんだなって
「あー、もう限界なのでちょっと寝ます。ソフィアさんあと任せましたー」
「えー、シイラは本当に動けないみたいだにゃ。なのでこれで配信は終了するのにゃ。今回は残念ながら罰ゲームは無しだにゃ。期待していた人はまた次の機会に期待するのにゃ。それじゃぁにゃ」
・おつつ~
・お疲れ様~
・楽しかった!!
・次を楽しみにしてます!!
・頑張れー!!
———あとがき———————
同じ魔法は一度しか使えないっていう制限はシイラ君にとっては楽勝すぎたみたいです。メイド服とか語尾ワンとかはまた次の機会に期待しましょう('ω')
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