No.2-8:実況!対魔物戦闘!(実況:シイラ)

「では、食事も終わったので続きをしていきましょうー!」


 束の間の食事を終えた俺らは、複数ある廃坑の一つを選んで先に進んでいく。


「ここからオークが出てくるのか。あんま広くないから邪魔だな」


「というかオークがデカいだけですよ。3メートルある巨豚ですしねぇ」


 廃坑の中で襲ってくる魔物はオークがメインになり、ゴブリンとコボルトは偶に湧いてくる程度になった。ドロップは相変わらずない。


「この先は一本道なのか?」


「んー……、そうみたいですねぇ。真っ直ぐ進んだら階層が変わるっぽいです」


「ボス部屋とかはないのか?」


「多分そこがボス部屋なんじゃないですかね?オークの一段上の魔物がいるっぽいですし。オークウォーリアとかその辺の奴がですね」


 オークウォーリアって確か鎧とか剣とか身に着けたオークのことだったよな。少し上のレベルになるか。


・相変わらず魔物が雑魚扱いなの草。

・いつもの光景過ぎて慣れて来たな。

・この配信見てると感覚狂う。

・マジのお散歩で草


「視聴者も飽きてきたみたいだな」


「まぁ、ずっと同じ光景ですからねぇ。何かリクエスト受け付けてみます?これでやってみてとか」


「いいなそれ。何かやって欲しいことあったらコメントしていいぞ。とりあえずやってみるから」


・空飛べますか?

・素手オンリーで魔物と戦ってほしい

・シイラ君が剣持って戦ってほしい

・ソフィアちゃん魔法使って

・解体の解説をお願いしたい。

・シイラ君が使ってる魔法の解説を頼みます!

・シイラ君がソフィア君の戦闘を実況してほしい


「おお、色々来ましたね。そうですねぇ。まずパッとやれそうなモノから行きますか。空飛びまーす。ソフィアさんもお願いします」


「えっ、あれ疲れるんだけど」


「いいからやりましょう。やってみるって言ったのソフィアさんですよ」


 まぁ確かに。ということで俺たちは空を飛ぶ。と、言っても俺は落ちないように常に宙を蹴ってるといった感じなので、厳密には飛んでるとは違うかもしれない。シイラはまさに飛んでる。というか浮いてる。

 

・草

・本当に出来るの草

・シイラ君は魔法なんだなってわかるけど、ソフィアちゃんwww

・そう来たかww

・二段ジャンプどころじゃないことやってるの草


「ではソフィアさん。これから次の階層に行くまで常に飛んだ状態でお願いしますね。地面に足付けたら罰ゲームです。あと魔物倒すときは素手のみでお願いします」


「えぇ……まぁ、いいけどさぁ」


「僕は空を飛びながらソフィアさんの戦闘を実況してますね。コメントの皆さんは罰ゲーム何させるか考えておいてください」


・よっしゃー!!

・罰ゲーム何にしようか

・wkwk

・採用感謝

・今度のイベントに武器無しで参加とか

・これから1週間、語尾にニャンを付けて話すとか

・罰ゲーム楽しみにしてます!


 さて、コメントが色々流れているがそっちはシイラに任せて、俺は今に集中しよう。こうやって宙に留まった状態での戦闘する機会は前作ではなかったしな。何気にいい訓練になるかもしれない。


 まずは目の前のオークから狩るとしようか! 



「おおっと!ソフィア選手!正面のオークに向かって突撃!!そのままオークの顔面向けてパンチ!オークは反応する間もなく頭が吹き飛びました!!」


・首狩りよりもえぐいことやってて草

・威力強すぎない??

・そんな火力でるん?

・やっぱチーt

・【開発担当A】チートは検知されませんでした。

・草

・張り込みしてるの草

・そして相変わらずの全自動解体に草。


「さぁ、次は正面にオーク、ゴブリン、コボルトの3匹が現れました!次はどうするんでしょうか!?まさかさっきと同じことはしないでしょう!」


 えっ、ちょっ、待って。同じじゃダメなん?危うく落ちそうになったんだけど。じゃぁ次は千切っては投げ戦法でいこう。


・草

・圧のかけ方がえぐいのよ。

・同じことしようとしてたソフィアちゃん急ブレーキかけてるしww

・良く落ちないな

・そもそも宙を駆けるのがおかしい定期

・そんな定期あってたまるか定期


 「さぁ、どうするんでしょうか?崩れた体制を立て直してる間に、コボルトがソフィア選手目掛けて手に持ってる棍棒を振り回す!しかしソフィア選手。それを素手てつかみ取り、コボルトの腕を引きちぎましたぁ!!そしてその腕をゴブリンに投げたぁ!」


・オロロロロr

・急なグロ注意。

・セーフティかけてて良かったぜ

・コボルトの悲痛な叫びがマジで辛い。

・俺らの心にダメージを負わせてくるのやめない?


「更にコボルトの左腕、左脚、右脚と次々とちぎっては投げ、ちぎっては投げ、次々とゴブリンとオークに向かってコボルトの四肢を飛ばしていくぅ!もうやめて!コボルトくんのライフはゼロよ!」


・ちぎっては投げ(物理)

・違うそうじゃない。

・コボルトがちぎれるわけないだろ!

・首を狩った方がまだマシだった

・魔物愛護団体とかに訴えられそう

・産まれたてですとかいいそう

 

「おおっと!恐怖におびえたゴブリンとオークは逃げだしました!しかしソフィア選手は逃げた先に回り込む!魔物が可哀想になってきました!早く決めちゃいましょう!」


 早くしろとのお達しが来たので言われた通りにそうする。


「最後はオークを空中で背負い投げしつつ、ゴブリン目掛けて頭から落とした!ものすごい勢いで落とされたオーク、その下にいたゴブリン、双方の頭が潰れたぁ!えげつない!やってることがえげつないぞソフィア選手!人の心はないのか!僕少し怖くなってきました!」


・とかいいつつ解体してるシイラ君も容赦なくて好き

・コボルト君いつの間にか死んでる、可哀想に

・やってることが化け物なのよ

・気持ちよさそうな顔してて怖い。俺もその顔で見下されたいぞ

・やべぇやついて草

・シイラ君自分のこと棚に上げてるけど、あなたも大概なのよ。


 こうやって適当に暴れるのは楽しくていいな。一撃で終わらせたらやっぱつまらんしなぁ。こんな感じで偶に遊ぶのは有りだな。


「さぁ、そろそろ奥が見えてきました!いよいよボス戦でしょうか!?次回、ダンジョンボス 死す!罰ゲームはどうなるのか!こうご期待!」


・ネタバレ草ぁ!

・ワロタ

・wktk

・ボス君がワンパンとかないよね?ないよね?



————あとがき—————————

 ソフィアちゃんがSに目覚めてしまったかもしれない。

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