廃坑ダンジョン攻略①
No.2-7:お散歩配信()
「はい皆さんこんにちは~。今日も配信やってきますよー」
・キチャー
・待ってた
・グレース君は??
・NPCだから常にいるわけじゃないんじゃない?知らんけど
・ソフィアちゃんくん可愛いー!!
・ここどこ?
・どこだろう?
ヘスト関連の用事を冒険者ギルドで終えた後、俺とシイラは先日見つけたダンジョンに来ていた。目的は魔金と
「皆さんも気になっていると思うので、場所をお伝えしますね。ここは始まりの街の東にあるイストワンから北東方面にあるダンジョンです。出来たばかりらしいので、全く情報がありません。元が廃坑なので鉱石が良く出るそうですよ。今日はこのダンジョンで鉱石を採掘するのと、ダンジョンの調査ですね。両方とも冒険者ギルドから依頼されてますので」
・ダンジョンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
・イエーイ!!!
・やったー!!
・羨ましいー!!!
・凄く行きたい。
・鉄!超欲しい!
「今回の調査では魔物は何が出るのか、素材は何が採れるのか、何階層あるのかを見ていきます。階層については無理しないレベルでと言われてるので、あまり長くなるようなら途中で引き上げると思います。では行きましょう」
シイラが一通り今回の配信についての説明をし終え、俺たちは廃坑ダンジョンの中に入っていく。
「ん、前来た時と大分違うな。廃坑ですらないぞ?」
「ですねぇ。古代遺跡みたいな雰囲気ですね」
ダンジョンに入って最初に目に入ったのはかなり広い空洞。そこに一定間隔で太い柱が設置されており、柱には不思議な彫刻が施されている。ランタンも設置されており、大分明るくなっている。
・前も来たことあるの?
・息をするように近くのゴブリンを殺すの草
・アイテムドロップとかしないん?
・モードの違いじゃないんか?
・さぁ?
・俺もいきたーい!
「昨日もここ来たぞ。その時はただの廃坑だったんだけどな。ドロップは知らん」
「丁度僕たちが来た時がダンジョン化する途中だったとかですかね?アイテムドロップについてはダンジョンによって異なるみたいですよ。あとダンジョン内で死んだ生物は一定時間その場に放置すると勝手に消えるそうです。もちろん人間もです。解体したり運んだりするとそうはならないみたいですけどね」
・ヒエッ
・急にぶっこんでくるやん
・怖っ
・俺は今見てるこの光景の方がこえぇよ。
・い つ も の
どこかゆったりした雰囲気ではあるが、相変わらず倒した魔物はシイラによって全自動解体されている。アイテムドロップは今の所してない。ドロップするときは魔物を倒した近くから湧き出てくるらしい。ドロップアイテムは本当に色々あるらしく、運が良ければ人魔大戦より前の時代の遺物がドロップすることもあるようだ。とても気になるので期待したいところだ。
そうこうしているうちに広場の奥にたどり着いた。ここから先はいくつかの通路に分かれるようだ。外から見た感じ、前回来た時の廃坑の雰囲気に似ている。この先に行けば鉱石も取れるだろう。
「ここから先は通路が分かれるんですね。丁度いいので休憩にしません?前回とったオーク肉もあるので焼き肉にしましょう」
「いいなそれ。採用!ということでここで一旦バーベキューの時間だ」
・ダンジョン内でバーベキューww
・魔物が湧くところでやるとか草
・草
・屋台で食べたけどオーク肉はマジで上手いぞ。
・羨ましい
「バーベキューセットとか持ってないので、この場で適当に作っちゃいましょう。まずは取ってきた鉄を錬金術で網に加工します。そして次にこれをこうして・・・はい。バーベキューコンロの完成です」
「えっ、はっ?えっ……?」
俺の思ってたのと違う。普通に焚火で焼くのかと思ってたらバーベキューセットから作るとか何事?俺がバーベキューにしようって言ったのが悪いの?
「そして網の下に石炭を入れて魔法で着火しましょう。肉と皿と箸はここにあります。ついでに結界も張っておきます。あっ、椅子も用意しましょう。はい出来ました。硬いですけどまぁ我慢してください。さぁ焼き肉の開始です!」
「え……えぇ……」
うせやん。いきなり作るって言いだしてものの数分で完成するとか正気?Bランク生産者ってこんないかれてるの?嘘でしょ?
「んー!オーク肉の美味しそうな匂いが漂ってきますよー!さっ!ソフィアさんも食べましょう!」
「お、おう。そうだな」
・はぁっ!?チートとかふざけんなよマジで!辞めちまえ!
・なんか湧いたな。
・おいおいチートかよシイラ君最低だな()
・そうだそうだーチートするならやめろー(棒)
・チートは初めてかい?肩の力抜けよ。
・流石に通報かもです。
・【開発担当A】通報頂きありがとうございます。検査したところ彼らのプレイにチートは検出されませんでした。引き続きのご愛好、よろしくお願いいたします。
・チートだろぉ!
・ファッ!?
「わっ、開発者さんも見てるんですか?っていうか反応爆速ですね。チートじゃないですよー。みんなも出来る技術です!」
「モグモグ……、美味しい」
焼肉うめぇ。ダンジョン内で食う焼き肉うめぇ。
・爆速過ぎて草。
・チートであって欲しかった……
・嘘やん……。嘘やと言ってやぁ。
・あかんでぇ
・【コメントはBANされました】
・黙々と肉食べてるソフィアちゃん可愛い
・草
「何事も極めたらチートになるんです。皆さんも頑張りましょう!」
・無理やろ
・本気で言ってる??
・いつになるんだろうな。
・運営さんー、見てたら答えてー!
・【運営A】特定分野に特化させたうえでレベル100くらいになれば出来る可能性があります。是非頑張ってください。
・気になるわー
・それな
・ってマジで回答来てて草www
「おおー、運営さん凄く早いですね。ということで頑張りましょう。頑張ればリアルでも元プロボクサーの迅選手並みに強くなれるかもしれませんね」
「ン”ッ”、ゴホッ!ゴホッ!」
「あっ、大丈夫ですか?水飲みます?」
「あ”っ、う”ん」
突然俺の名前を呼ばれたから吹き出すところだった。えっ、何の話?あっ、シイラがチートすぎるって話?そこから俺に名が出たの?えっ、何で?
・無理やろ
・人類最強の一人を持ってくるのはやめない?
・そこ引っ張ってくるの草
・あれは異常だから。
・あれはやばい。
「私彼のファンだったんですよねー。絶対に攻撃を喰らわず、どんなパンチにもカウンターを合わせるセンス。しかも全試合6ラウンド以内にKO勝利。アウトボクサーの完成形ですよ」
・あれは怪物すぎた
・階級上げてもパフォーマンス落ちないのえぐい
・どこまで行けたのか見て見たかった選手
・全階級制覇の可能性もあったと言われてるの頭おかしい。人間じゃない説。
・ボクシングを知らない人でも迅は知ってるよな。
見てない見てない。知らない知らない。そんな人俺は知りませーん!凄い人もいるんですねぇ(現実逃避)
「んー、肉美味しい」
「あっ!ソフィアさん食べ過ぎです!もう殆どないじゃないですか!」
「えっ、逆にこれだけしかないの?オークだよ?」
テーブルには3kgくらいしか出てなかったぞ?
「いやまぁそうですけどぉ。あるんですけどね。何か皿に乗ってるのが減ってると悲しくないですか?」
・草
・なんとなくわかる。
・見えてないから少なく見える的なやつね(適当)
その後、シイラが肉を追加して腹が膨れるまで食べた。多分30kgくらいを二人で平らげたんじゃないかな。こんだけ食べてもオーク10分の1くらいの量なんだからコスパがめっちゃいいと思う。
———あとがき—————
もし無人島に誰か一人連れていけるならシイラ君を連れていきます。
一家に一台シイラ君計画とかないかな。ないか・・・。無念。
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