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No.1-8:ソフィアの戦闘解説

「それじゃ、コメント共有しますねー」


 シイラの一言と共に、俺の視界にコメントが共有される。


・やぁ

・見えてるー?

・ソフィアちゃん可愛いヤッター!!

・俺っ娘ヤッター!

・強いってマ?

・狂い人と聞いてきました。


「わわっ、めっちゃコメント多くない?」


 コメント欄の上に表示されている視聴者数は1521人。初回にしてはやたら多い気がする。


・そりゃぁガワがいいし。

・見た目は大事よ。

・中身はともかくな。

・それにリアルモードのプレイヤーだしな。

・リアルモードがヤバいってのは掲示板で流れてるし。

・前作プレイヤーは大抵化け物っていう噂も聞いた。

  

「ほー、この感じだと再生者・・・リアルモード選択したプレイヤーってやっぱ少ないんだな」


「少ないみたいですねー。公式の発表によると、現在の総プレイヤー数は約2万人。うちリアルモードを選択したのは15人だそうです」


「おー、結構いるな。5人とかそんなもんだと思ってた。今って国内だけだよな?」


「そうですね。国内だけですね。そう考えると多いですねー」


・多いのか?

・俺らの感覚的には少ないんだが?

・少なくね?

・少ないって感じるのが普通だろ


「あー、前作のプレイヤー数って販売初週こそ多かったけど、翌週以降は全世界で300人とかそんなもんだったからな。最終日なんて10人しかいなかったらしいし。もちろん全世界での話な」


・それは少なすぎwww

・草

・調べたらまじだった

・逆にそれでよう3年ももったな

・ゲーム以外で稼いでたんだろ

・フルダイブ型VRゲームの特許取ってたからな。それだろ。

・確かにその感覚でいえば多いか。

・前作ってどんだけ難しかったんだ?

・↑ネットで探せば体験談が転がってるからそれ見てこい。

・あったわ。thx。


「じゃぁ早速依頼をこなしてくか。てかこれ大丈夫?俺は夜目が効くから平気だけど」


「僕は魔法でカバーしてるから平気ですよ。配信上はちゃんと補正されてるので暗さは特に気にしなくてOKです」


「そう、わかった」


・魔法?

・夜目が効くってま?

・実際どんな感じで見えてるか気になる。


「どう見えてるかっていうのは配信機能に第三者カメラと主観カメラがあるので、主観カメラの方を見てみるといいですよ。ただ戦闘中は酔うだろうから、アーカイブで見返すとかの方がいいかも?」


・ほんとだ、そんな機能あったのか。

・俺も知らなかった

・この機能いいな。便利

・実際どう見えてるのかがわかるのはありがたい。

・リアルモードの視界が見えると。


「さて、依頼をこなす訳だけどどうする?普通にやっていいか?」


「はい、普通にお願いします」


「了解。死体処理は任せても?俺魔法は身体強化しか覚えてなくてな」


「もちろん、僕に任せてください」


「じゃぁ頼んだ。おっ、第一スライム発見。配信見てる皆は見えるか?この先の10メートルくらい先にいるんだが」


・ちょっと暗くて見えない。

・スライムちっちゃいから見えんわ。

・もうちょっと近づいてほしい。

・第一村人みたいな感覚でいうの草


 むっ、見えないか。じゃぁ近づこう。


「ここまで来れば見えるか?」


・見えた。

・うん、見えた。てか攻撃しようとしてるな

・ソフィアちゃん!危ない!

・コメント見てないで魔物みて!


 「あー、前作のスライムならともかく、今作のスライムは本当に雑魚だから気にしなくていいぞ。一番楽な倒し方はコアを壊すか取り出すかだな。今回の依頼はコアの破片でもあればいいから壊しちゃうけどな」


 たまたま足元にあった石を蹴り、スライムのコアに当てて破壊する。


「と、まぁこんな感じ。楽だろ?」

 

・はっ?

・剣すら抜かなかったんだが?

・スライムで苦戦した俺氏涙目

・そのコアを破壊するのが難しいんだよ!

・何したの?

・多分だけど足元の石を蹴ってスライムのコアに当てて破壊した

・スロー再生で見返したらマジで草


「えっと、皆さんは真似しないでくださいね。これは慣れ過ぎた人の戦いかたです。普通は魔法使って倒すか、時間かけてコアの周りにある粘液を散らして倒すのかのどちらかですから」


・だよな

・普通はそうなのよ

・プレイしてるからわかるけどそんな簡単には倒せない。

・意外と厄介よな。慣れれば楽に倒せるけど。

・てかモードが違うと倒し方も違うんじゃね?


「あー、そっか。大半はゲームモードなんだっけか。ダメージの計算方法が異なるだろうから解説しても意味ないかこれ?」

 

「あっ、確かにそういえばそうでした。ゲームモードの方はどうなんです?」


・まだ未確定だけど、ダメージ計算はリアルモードを基準にしてるっぽい

・難しいけどコアを一撃で破壊すれば倒せることもあるしな

・ホーンラビットも首を落とせば即死させられるっていう報告もあった

・何にしても見てて楽しいからそのままでOK

・戦闘の参考になるから助かる。


「いまの感じでいいみたいですよ」


「そうか。じゃぁこの調子で狩りしていくな。とりあえずスライムはコアを奪う方針でいくわ。破片拾うの面倒だし。とかいってたら次のスライム君発見。よっと」


 背負っていた大剣を片手で抜き、剣の穂先でコアを下から掬い上げてスライムの中から取り出す。


「っとまぁ、こんな感じだな」


・ファッ!?

・すげぇ

・そのデカいの片手で扱えるのヤバ

・そのデカさでそのスピードはエグいのよ

・何て早い攻撃。俺なんかじゃ見逃しちゃうね

・↑見えてなくて草


「おー、凄いっすねぇ。あっ、丁度ホーンラビットも来ましたよ!」


「ん、了解。よっと」


 こちらに角を向けて飛び込んで来たホーンラビットの首目掛けて剣閃を放ち、首と角を同時い切り落とす。


・ホーンラビット君も雑魚か

・しれっと首を落とすな首を

・ホーンラビット君が何か可哀想

・なんか角も一緒に切れてない?

・マジじゃんいつとったんだ?


 「今のは二重攻撃ダブルアタックっていう技だな。一度の攻撃で二度の攻撃を行うテクニックだ。それを使って首と角を同時に落とした」


 配信映えを意識して使ってみたがどうだろうか?ゲームモードの方だとスキル?としてあるんだろうか。


・おおおおお!!

・かっけぇ!!

・やばくない?

・凄すぎ

・かっこよすぎる

 

 どうやら好感触のようだ。わざわざ剣技を使う必用なんて無かったのだが、この感じなら映えを意識していった方がよさそうだな。


「それじゃぁ、処理は任せた」


「はい!任されました!」


 シイラが解体をしている最中、近くにいるスライムとホーンラビットをさっさと狩る。これ以上見せるものはないしな。


「終わったぞ」


「あの、早くないですか?」


「まぁこれ以上丁寧に戦う必要もなかったしな。身体強化使ってさっさと終わらせた」


・草。

・???

・は??

・やばすぎない?

・10秒もかからず終わってて草。

・残像が視えたと思ったら次の瞬間には終わってた。

・殺されたホーンラビットが次々とシイラ君の方に飛んでいくの草ww

・強すぎぃ!!

・これが前作プレイヤーか、面構えが違う

・あとでスローにして確認しないと。


 コメントも盛況なようだ。ただ少し早く動き過ぎたか。よく見えなかったらしい。ただ視聴者数を見たら5321人にまで増えてた。初配信にしてはいい感じ、というかめっちゃ伸びてるといっていいだろう。


「え、えー、まぁそっか。確かに前作のランクB冒険者はこんな感じだった気がします。ちょっと数が多いので魔法で解体しちゃいますね。少し離れててください」

 

「わかった」


 シイラから距離を置くとシイラは魔法を発動した。すると俺が倒したホーンラビットが宙に浮き、瞬く間に解体されていった。気が付けば解体は完了し、解体した皮・内臓・肉・血などは余すことなく綺麗に回収された。


・こっちも大概で草

・魔法えぐ過ぎぃ!

・再生者ってこんなのしかいないの?

・こいつらが例外なだけだぞ。多分。

・いや、システムアシストなしでこれとかマジで凄いな。


 コメントはシイラの魔法に驚いている。うんうん、わかるぞ。俺も凄い驚いた。


「何かソフィアちゃんも僕のことヤバイ人みたいに見てますけどあなたも大概ですからね」


 何!?そんなことはないだろう!?


・それはそう

・後方腕組みしてる場合じゃねえぞ!

・自分は普通だと思ってる異常者発見!

・全然普通じゃないんだよなぁ

 

 コメントにも賛同されなかった。orz。

 

「いい加減認めましょう。僕たちは普通じゃないんです。だから伸びるんです。それじゃ次は採取に行きましょう。次は僕がメインなので、ソフィアちゃんは護衛をお願いします」


「あぁ、わかった」


 討伐依頼を終えた俺たちは、薬草採取の依頼へと取り掛かった。


 




2023/03/31 転生者→再生者に変更しました。

 

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