…物凄く染み入る展開でしたね、このエピソード。単純に、深い感動がありました。
どんどん人の形からかけ離れていくセルフィーネの描写に痛々しく思っていた矢先、リィドウォルの「一体、何故こんなことになったのだろう」…理由なんてどう考えても明白なのに、詛の浄化に囚われるあまり思考が狭まってしまい、ここでようやく疑問を持つに至った、この一言の悲しさったらないですね。
そして、初めて明かされるリィドウォルの出自。魔眼を元凶とした愛情のない描写が淡々と綴られていて、なかなかに辛かったです。この過去では彼がねじ曲がってしまう下地が出来上がってしまいますし、拾ってくれた叔父の老王に強い思い入れがある事にも、全てを擲っても救いたいと盲進してしまうのも納得です。
うなされるリィドウォルを、セルフィーネの力が意図せず救う…この展開があまりに尊くて、ちょっと息を呑みました。どれほど虐げられても、悪意を注がれても、水の精霊としての浄化の本質は、穢れを見つけたら癒してしまう…「利害や好悪はない、慈悲の祈りだけが存在する」とありましたが、セルフィーネの力の偉大さ、圧巻です。
ジェクドが馬車を覗いた時、セルフィーネの傍で眠っていたリィドウォル…長く長く求め続けていた癒しと赦しをようやく与えて貰えて、無意識に寄り添ったのかと思うと、彼のこれまでを思えば、やはりどうしても目頭が熱くなりました。
魔物こそ出ましたが、これでセルフィーネの本質はリィドウォルの知るところともなりましたし、方法が間違っていた事にも気付けました。あまねく慈悲を与えて貰えたんです、ここで真摯に向き合わなくてはいけないところですが、一方で、そんなに簡単に変われないのも人間です。リィドウォルがセルフィーネをどうするのか、次も楽しみにしています。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
リィドウォルの生い立ちについては、詳しく書くか書かないかでとても迷った覚えがあります。
セルフィーネの慈悲の祈りを感じ取る部分で必要かな、と思って書きましたが、現在の彼になる根本部分なので、書いておいて正解だったかもしれませんね。
裏切られ、穢されても、セルフィーネの心根は変わらず残されていました。
それを感じたリィドウォル。
一旦詛を抑えられた彼は、セルフィーネを今後どうするのでしょうか。
待居様の期待に添えるかどうか…、続けてお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!
ザクバラの悪意、まさにそのとおりですね。
それが分かったからと言って、ではどうすればいいのか。
ジェクド、もっと狡猾で腹黒い男かと思っていましたが、実はそこまでではなさそうですね。リィドウォルとの関係を見ていても。
さてこの二人、いったいどうするつもりなのか。今のところ妙案なしですね。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
セルフィーネの変化の理由が分かっても、リィドウォル達はどうすればよいのか…。
ジェクドは状況を見て、上手く立ち回って生き延びてきた男です。
腹黒く…はないかもしれませんね(笑)。
この状況、手詰りですよね。この先二人はどうするのか。
続けてお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!
編集済
こんばんは。
リィドウォルの、叔父、つまり、王への敬愛は本物だった。
叔父だけだった。彼の目を、見てくれたのは。
それが……、いつから───、こんなことに───。
作者からの返信
こんばんは。
リィドウォルを幼い頃から支えてきた叔父です。
彼に対するリィドウォルの気持ちは、真剣で本物です。
老王を救いたい。せめて詛を消して安らかに眠っで欲しい。
その思いが根本にあっての行動だったはずですが…。
コメントを頂けて嬉しいです。
ありがとうございました!