メインの登場人物ではない、いわゆる別サイドで展開したエピソードでしたが、個人的には結構な熱さでした。
何が熱いって、ハドシュにもたらされた更なる心情の変化ですね。これまで人間を下に見続けていたはずの竜人が、人間を認めかけて忌々しく感じるくだりは以前もありましたが、セルフィーネの力が薄くとも広がる様に、人間の底力を改めて感じてしまうのは、同じ人間として、してやったりです。
それだけならまだしも、まさか魔力が元に戻るかを危惧してしまう様になるとは…あのハドシュが、ですよ?この変化は相当に大きいはずです。
精霊にさえ思いを馳せてしまっている戸惑いは、ひょっとしたら今後、更なる変化をもたらして、セルフィーネへの光明になるのかもしれない…と期待せずにはいられませんし、…何より、「竜人こそ上位の存在で絶対」という凝り固まった慣習をも壊し、世界に新たな風を吹き込む事もなるんじゃないかと、ちょっと勝手に胸を熱くしています。
この物語の中で、極めて異質に終始暗澹とした雰囲気の描写を感じるザクバラ。身内のはずのタージュリヤ王女が空恐ろしく感じてしまうほど、リィドウォルの決意は固く悲壮で、王を救う為ならばどんな手段をも厭わないその姿は、いつでもやっぱり悲しく見えてしまいます。
「いくらでも従わせる方法がある」と断言するからには、勿論何かしらの算段あっての言葉なのでしょうけど、それがまた例によって不器用さからくる尖った策だとするなら、例えひとつを得たとしても、失うものの方がきっと多くなってしまうはずです。ですが、その一途な不器用さが、間違っていたとしても熱いんです。
事情を鑑みれば、彼の行いを一様に責める事は到底出来ませんが、彼に理解者が一人でもいたなら…と書いてみて、拙作の某人物に、幸まる様が同じ事を仰っていたな…と今、物凄く腑に落ちた次第です。多くを背負った孤独な彼の旅路がどう帰結するのか、これからも注目していきます。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
ハドシュが冒頭に出る回でしたが、それほどに熱く感じて頂けるなんて嬉しいです。
物語において彼の役割はあるのですが、出演回数は少ないので、出る度に変化を表すようにしていました。
とうとうザクバラ国に入ったセルフィーネ。
待ち構えるリィドウォルは、やはり何処か歪んで見えますね。
彼が自分の真の理解者だと思っていたのは国王ですが、その国王は今…。
それは一人突っ走るしかありません。
待居様の物語での彼は辛い最期を迎えましたが、リィドウォルはどうなるのか…。
続けてお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!
ハドシュとリィドウォル、本作におけるいわゆる悪役キャラですね。
この二人が揃って登場したということは、物語が大きく動くのか。
いずれにせよ悪役といっても、絶対悪ではないし、それぞれの思惑に従って行動しているので、面倒な奴ら、というのが一番しっくりきそうです。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
悪役でなく、面倒な奴ら。
確かに、“面倒な”と付くのがぴったりな二人かもしれません。
ハッシュはちょこっと出演という感じですが、リィドウォルはザクバラ国パートの主役みたいなものなので、物語を動かしていく一人でもあります。
続けてお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!
♡ぺったん絨毯爆撃、コメント散弾銃、失礼しました。
お返事はいそぎませんよ〜。
リィドウォル、王が崩御したら、一緒に死んじゃうってことなんですよね?
王が正気になり、かつ、血の契約を解いてくれる気になるのか……。
タージュリヤがどのような性格なのか……。だってセイジェのお嫁さんだからね。
セルフィーネが、淀みの強いザクバラに戸惑っています。ううっ、可哀想(´;ω;`)
作者からの返信
続けて読んで下さって、本当にありがとうございます!
通知履歴を見て、もうドキドキしてしまいました(笑)。
一話の文字数が多いもので、お疲れにならなかったでしょうか?
さて、物語は三国共有でザクバラ国パートに移ったところです。
血の契約がある限り、リィドウォルは国王が崩御すれば共に生命を落とします。
果たして、血の契約は解けるのでしょうか。
タージュリアは生真面目な女性です。ザクバラ国の場面では度々登場しますので、セイジェと合いそうか見てみて下さいね。
空気感に苦しむセルフィーネ。
月末まで無事でいられるか…。
本当に、たくさん読んでたくさんコメントも頂き、ありがとうございました。
引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!