スワンプマンズ②

俺様は以前、皇居を襲撃する計画をたてていた。

誰にも気づかれぬよう単独で、ゲリラ的犯行。

それまでのテロでは、俺様の計画は緻密で斬新。

一度たりとも俺様を止められる奴なんざいなかった。


だが、その日は全く違っていた。

俺様の行動をするように、全ての行動がが先回りに防衛され、俺様は見事警察に捕まってしまった。

俺様はあの屈辱を一生忘れねぇ。


だから俺様は皇居に向かった。

今度は絶対に捕まらない、最強の力を手に入れながら。

俺様は皇居に突然現れ、何も持ってない腕から機関銃を取り出し暴れ始めた。


その行動に、周りの人物は戸惑い、すぐに警察、マスコミが大勢出動しはじめてきた。

どんどん撮って俺様を広めやがれ、俺様はこの世界では無名なんだから。

そして俺様に歯向かってきたやつは全員ぶっ壊してやる。


俺様は更にこの場を荒らしていくために、爆発を起こしていく。

そのようにして注目を集めている間に、警備隊が来たようだ。


「警備隊ごときが、俺様を止められるとでもおもってんのかー?」


「ごときではない。我々は数で制圧する」


「へぇ、やってみやがれ」


警備隊なんざ数多あまたのテロで何度でも返り討ちにしてきた。

俺様は自分の方に即席そくせきの壁を作りつつ、大きめの爆弾を警備隊共のところに転がし爆発。

そして爆風に紛れこませ、別の爆弾も起動。

これでほとんどの警備隊はやられただろう。


げ、まだ残ってやがる。

俺様は、残った警備隊に向けて改造型機関銃を放ち続け、殲滅していく。

おいおい、既にいつもの警備隊の数を超えてやがるぞ。

いつまで経っても警備隊のやつが減ってこねぇ。


こいつらが武器を生成している様子はねぇがここは一つ、鎌をかけてみるか。


「ちっ、いつまでも湧いてきやがる。もしかして『参加者』とやらが噛んでやがったりするのか?」


こいつら、俺様のこの言葉を聞いた瞬間、今までやってなかった癖に即座に武器を生成しはじめやがった。


「やっぱり参加者だったんじゃねぇか。ならさっさと消すべきだな」


敵の数が多い。

こりゃ俺様と似てるようでちげぇ、自我を人形に移すというよりは、遠隔で自動人形みてぇなもんを作ってやがるな。

なら本体が出るまでさっさと全部ぶっ壊すだけだ。

俺様は腕そのものを機関銃へと変化させて、この人形共を一つ残らず壊していく。


時には、でかい爆発を交えて範囲的に。

だが、俺様は少し油断していた。

いくらでも人の形をしているものを破壊できる快感で、俺様は勘が少しにぶっていたのかもしれねぇ。


「何もないところに地雷が増えてやがった」


この参加者もかなりの切れ者だったようだ。

俺様は、奴がいつの間にか設置した地雷に気付かず、そのまま踏んで爆散してしまった。


「あーあ、死んだ死んだ。次はどこを破壊してやろうか」


刑務所の独房に戻ってきた俺様は、次の作戦を練りはじめる。

しかし、奴の一手もなかなかにいい手だった。

丁度俺様が見えてない場所に地雷を設置しておき、ヒートアップしてきたところで起爆。


その戦い方は今度俺様が真似をしてやろう。

俺様は我が人一倍強いんだ。

俺様がやりてぇと思ったことは全て俺様自身が行動を行う。


そして、そんな俺様は次に行うことを決めた。

いくら世界が違うとはいえ、この刑務所にも囚人って奴はいるんだろう?

だったら、俺様が一人残らず壊しつくしてしまおう。


だが、それ以前に俺様は一つのあることを感じ取っていた。

これは、囚人や看守なんかとは全く違った気配の形だ。

例えるとするならば、気配。

だが俺様は、皇居に攻めいってる時以外、人形を生成していねぇ。


考え事をしていて気にしていなかったが、そういえば、戻ってきてから銃声も鳴っていた。

もしかしたら、俺様と同じような考えをしている参加者が、ここに来ているのか?


そう考えを巡らしたのも束の間、そいつは俺様の目の前にやってきた。


「おいおい、何で動いてやがるんだよ」


そいつは、俺様が作り出した覚えの無い、武器を持っただった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る