第5話 大人の恋心
5.
" Such Is Life そんなもん "
夫と小野寺の職場には19才と42才の女性事務員がいて、面白いことに
小野寺はその両方から人気があるのだとか。
夫も私との結婚以前は小野寺と同様にそれなりに緒方さん緒方さんと
よく懐かれていたのに、入籍してれっきとした既婚者になった途端
彼女たちからの扱いが雑になったと嘆いている。
その事務の女性たちの気持ちや接し方の変化、長年独身だった
私には分かるような気がする。
世の中、そんなもん。
相手が既婚者になってもそれまでと同じ熱量で接してきたら
その方がよほど(気持ち悪い)怖いわよ。
42才の女性は、できれば小野寺のような男・・逃したくはないだろう。
そのような少ない情報から知世は小野寺という男性像を脳内フル稼働して
どのような人物なのだろうかと想像していたのだが。
首尾よく桂子と小野寺が良縁を結べばもしかして、私は、その女性の
小野寺を恋人にしたい、そして伴侶に・・という願望をぶち壊す酷い
人間ということになってしまうだろう。
小野寺という人物は見た目の顔の造形そのものは、夫とは似ても
似つかないのに、微妙に女心を擽(くすぐ)り掴んで放さない人間力
みたいなものを備えているという点がよく似ていると思った。
笑うと目尻が垂れて親しみやすくなる。
話し方も穏やかでやさしい。
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