第4話 大人の恋心

4.  2023.4.15 加筆修正有

" An Introduction 紹介 "


  知世の夫の緒方は、自分も同棲期間が長かったことから、お試しが

大事だということを心得ていたので、小野寺を紹介するため彼に声を

かけた時も、まぁ軽い気持ちで会ってもらってその気になったらデートを

重ね、付き合っても良いと思うようなら、付き合えばいいのではないか、

くらいのスタンスで、『妻の職場に紹介できる独身女性がいるけれどどう? 』と、小野寺に声をかけたのだった。

 

 長年の付き合いで、その辺の夫の考え方など、とうに熟知している知世は当日4人で揃い桂子を小野寺に紹介するにあたり、桂子の為にひと肌脱ぐ覚悟でその日は引き合わせの席に着いたわけで、この件に関しては

自分が手綱を握って放すまいと決めていた。



 ふたりを引き合わせることになった日、夫の雅也が軽い調子で

小野寺のことを桂子に紹介した後、続けて知世が桂子を小野寺に紹介した。


 34才の小野寺は見た目30才でも充分通りそうな容貌を備えていた。

 年齢より若く見えるのに、それでいてどこか落ち着いた大人の雰囲気が

あった。


 実は知世自身も桂子と同様、小野寺に会うのは今回が初めてだった。


 彼が今だ独身なのは、女性にモテないというふうでもないが、職場に

女性が少ないのと本人がわざわざ彼女を作ろうと夜の街に繰り出したり

街コンや合コンなどに参加しないからではないかと夫から聞いていた。




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る