第6話 大人の恋心

6.

" A Lucky Find 掘り出し物 "


 

 小野寺は桂子より3才年下だ。

 私がもし桂子の立場だったとして、小野寺は掘り出し物だと思う。


 身長も187cmあるとかで、この良縁が纏まれば、私は一生桂子から

感謝されることになるだろう。



 私はこれまで新垣桂子と特別親しい間柄というのでもなく

同じ職場にそれなりの年月務め、独身同志だったというただそのひとつの

カテゴリで繋がってたような関係だけど・・。



 私は世間を独りで生きてゆく気楽さや自由も知っているが、一方で

侘しさみたいなものも知っている。


 何か、私は桂子にかつての自分を重ねてしまうのだ。



 私は二人の結びの神様になることを、小野寺を前にして

より一層強く思った。


 だから全く夫とは打ち合わせすることなく、しゃしゃり出て、小野寺の

胸中に届けとばかりに桂子の紹介をした。



「小野寺さん、はじめまして。

 主人からはどんな方かという話は聞かせていただいてたのですが

こうしてお会いしてみて、やさしい雰囲気の方でなんか・・桂子さんに

ぴったりのような気がします。


 あぁ、新垣桂子さんは私の職場の同僚で、彼女はファッションセンスが

抜群でモデルさんたちにも桂子さんの衣装は定評があるんですよ」



 「きゃぁ~、知世さん良いように言い過ぎです。

 恥ずかしいわぁ~」



 「ふふっ・・それに何といってもお料理上手で毎日お弁当作って

職場に持って来てるんですよ」




 「いやぁ~知世さんってば、大したことないのに・・。

 毎日地味なお弁当持参してます」


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