第12話「日々、後日談を語るのも一興だろう」

今日も今日とて、私は恋人とラブラブだ。


「ねぇ、穂村、私今日も、ちゃんと、見てるよ」


てへへ。と少し赤らめながら言う穂村。すごく愛が重いし、何が何だかよくわからない。見てるよって何?

と、言うのも。私の記憶が無いせいだ。すべての記憶が無いではないが、覚えていないのだ。正確に言うと昨日、穂村と空き教室まで行ったことは覚えている。それから、各所各所おぼろげに覚えているところもある。そして、それ以外の今日、目覚めるまでの記憶が全くないのだ。


教室につき、私は自席についた。妙によそよそしいクラスメイト達とあいさつを交わした私はここで現状を整理してみるのも悪くないかと思い、考え込んでみた。


現状わかっていることは4つある。


まず、1つ目は、クラスメイトの…それも、特に女子が凄くよそよそしい。その中には頬を赤くして、私の事をじっと見てくる子もいる。どうしてかわからん。


2つ目。それは、今朝にさかのぼる。私は朝食の準備ができたことを姉さんに報告しにいったときだ。私を、見るなり少し悲しそうな顔を浮かべた。


「え、どうしたの?」


「いいや、少しな……昨日の事が、頭から離れなくてな…」


「………、え、昨日私、何かしたの?」


「え、覚えて無いかの?」


「あれ、全然覚えて無いんだけど…」


「そ、そうか…だったら、昨日のはノーカンだな、うん!そうだ」


そういって、元気になった姉さんは何のことか全く理解できずに、はてなマークを浮かべる私を放置して、食卓へと向かった。

ここで、私は自分の記憶が欠落していることにきがついた。まぁ、でも、断片的な記憶の中で、姉さんがこの世の終わりの様な顔をしていた描写があったから、これが関係しているのだろうな。


そして、3つ目。氷条さんだ。この人の事に関しても記憶の断片が残っている。

氷条さんは頬を桃色に染めて、目線をそらし、その瞳にかすかに涙を貯めていた。そして、震えた声で言った。


「…ごめん、なさい……その、…軽はずみにちょっかいかけたことは…謝るから……はなれて……ください……わたし…初めては…かいちょう、とって、きめてるんだ…だから、ひかげちゃん…ごめん…ゆるして…」


氷条さんの背景は、教室の床しか映ってはいなかった。うん。本当に、昨日の私は何してんだ。


そして、最後。4つ目。


「ねぇ、ねぇ。日蔭~私ちゃんと見てるよ~、かまってるよ~、ねぇねぇ日蔭~」


と、今朝からこんな感じにやたらと、見てるよ~とか。かまってるよ~とか。穂村が言ってくる。さらに、すごく距離が近いし、くっついてくる。…凄く嬉しい。

と、まぁ、こんな感じか。


「…ねぇ、穂村、朝行ったら、私さー穂村は怒ってるだろうな~って思いながら行ったら、穂村は朝からべたべたくっついてきたり、なんか見てるよ~とか言ってくるけど…それに、クラスのみんなも、姉さんも少し様子がおかしかったし…………昨日私、なにかしたの?私、ぜんぜん思い出せねーんだ」


その瞬間、クラスのみんな、そして穂村も石のように固まった。


「え、ひ、日蔭?、昨日のこと本当に覚えて無いの?」


「あ、うん。なんとなく、断片的には覚えてるんだだけど…特に、これと言って、今朝からの穂村とか、姉さんとかクラスのみんながとる私への、その、なんて言うか…態度?みたいなものの理由が検討つかないんだよね…」


マジかーみたいな空気が教室に流れる。え、本当に何なの?


「え…何?…ねぇ、穂村、教えて!?私、昨日、本当に何したの!?」


取り乱して、穂村に訪ねるが少し遠い目をしている。


「本当に、知りたい?日蔭は」


何を考えているのか分からない穂村の目と、私が本当に何をやらかしたのかと言う不安で、固唾を呑んでしまう。


「…まぁ、覚えて無いなら日蔭は知らなくていいよ…でも、ソワソワしてる日蔭のために簡単に言うと、いろんな人を巻き込んで、日蔭がどれだけ私のことを愛しているかを伝えてくれた、それで、私は日蔭にさらに骨抜きにされた。そんだけ。」


そういって、えい!と私に抱きついてきた。でも、私は理解できなかった。何一つ。いや、嘘だ。わかっている。昨日私は、記憶が飛ぶほどの暴走をかましたのだろう。……考えるだけで死にそう……うん。よし!考えるのはやめよう!それがいい!!

だからと言うわけではないがとりあえず抱きついてきた穂村の頭を撫でてみた。撫でられた穂村はグルグルと嬉しそうにうなった。可愛い。


「……あぁ、そうか」


とりあえず相槌だけは打ってみた。


「うんうん。日蔭は、別に気にしなくていいよ!、と言うか、そんなことばっか考えてないでホームルーム始まるまで、私とイチャイチャしとこ、ね?」


「あ、あぁ」


まぁ、考えたくないこと頭の中でチラかせるくらいだったら、穂村とイチャイチャしている方が有意義かと思い返事する。

だが、そんな私たちを見ていたクラスメイト達は、それでいいのか?となって空気がすごく混沌としていたのであった。私たちの空間以外。

















あとがき

「日々とあう」今のところどうでしょうか~。楽しんでいただけていたら最高です。さて、今回の12話なんですか、予定と違い書き直しました。なんとですね、最初は前回の11話の続きから書いていたんですけどね……その、日蔭がそのいろいろ物凄いことをし始めちゃって……ちょっと、年齢制限を必要とする文章にばけてしまいそうになって…今回のような形で書きました…。すみません。

あとがきが、長くなりましたが、これからもこの二人の物語を読んでいただけたら嬉しいです!もしよければ、作品に応援、フォロー、コメント、お願いします!!_|\○_。

では、また!!!




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