第4話

あれ?ふと気になったのだが。

魔法という単語は、意味が分かる。

つまりは、魔法があるということなのだろうか。

ワクワクするなぁ。

魔法かぁ。

火とか雷とか出せるんだな。

ワクワクする。

リナは、いつになったら手を放してくれるのだろう。

まあ、嬉しいからいいんだけどさ。

僕が絶対に君を守るからね。

強くならなきゃ、誰にも負けないくらいに。

貪欲に、いろんなものを吸収してやる。

「シンクロームは起きているのか、父だぞ」

金髪で赤目のひげが貫録のある男性が僕を覗き込んでいた。

「シンクローム」。それが、僕の名前のようだ。

だから、「シン」なのだろう。

「リナリアはまだ寝てるようだな」

「リナ」は、「リナリア」というようだ。

リナリアか、いい名前だ。

「本当に仲がいいな。ずっと、手を繋いでいる」

父は、微笑ましそうに笑う。

とても、優しく。

温かい人たちの元に生まれたんだな。と思った。

前は、二人きりだった。

ああ、そうだった。

僕は、彼女しかいなかったんだ。

だから、唯一の肉親を好きになったんだ。

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